グラレコれんしゅう会をやる意義
僕は毎日グラフィックレコーディング(以下グラレコ)の練習をしています。そして、1人でやることに限界を感じて「グラレコれんしゅう会」というものを始めました。
ちなみに、僕が始めた経緯についてはかつて書きましたので、そちらをご覧ください。
”自分は見ること、聞くことができていなかった。だから、描けないのだ」
僕は上記の記事の中でそう書いたのですが、気づいた後に困りました。そもそも自分はどうやって「見て」「聞いて」いるのかがわからないのです。
1人でやることも不可能ではないのですが、簡単ではありません。なぜなら、他者との違いの中で自分の視点が浮かび上がってくるからです。そこには他者が必要になってきます。
ほかの人が描いたグラフィックを見て、「この人はこんな風に見聞きしているんだ」と知ることで、それを真似てみたり、自分の視点を変えてみたりできます。
だれかと一緒にやることがなによりも自分の、そして相手の変化のチャンスに繋がります。学び合いが習熟にとって一番大事なのです。
だから、月に1度くらいはみんなで集まって練習しようとグラレコの達者な友人を誘って、「グラレコれんしゅう会」を始めました。
なぜ「れんしゅう会」なのか
会をやるとなった時に、「グラレコれんしゅう会」のタイトルはすぐに決まりました。
練習とは失敗する場であり、試行錯誤をする場です。自分のレベルに合わせて必要なことを行う。だから、上手い人も始めて間もない人もひとしく練習します。そして描きあげたものをシェアをしながら、また次の自分の課題や目標を見つけていけたらいいと思い、「れんしゅう」というワードを使いました。
偉そうなこと書いてますけど、僕自身が絵に自信がないし、練習だよと言い聞かせなければ、くじけてしまいそうだったからというのが最大の理由です。
そして会の名前として、「講座」だけは絶対に使いたくありませんでした。講座となると講師がいて、教わる参加者がいるという、縦の一方通行の関係性ができあがってしまうからです。学び合うには向きません。
「WS(ワークショップ)」とつけるのもなんだかしっくりきませんでした。もっと気軽に、井戸端会議のようにお菓子をつまみながら堅苦しくなくやりたかった。そのリラックスした環境でこそ、普段の自分が立ち現れると思ったからです。
だから、もっとやわらかい言葉として「会」を使うことにしました。第何回とつけることもありません。「今日は〇〇回目の練習ですね」とは言わないでしょう?
やっている長さや参加した回数なんてどうでもいい瑣末なことです。
「れんしゅう」がひらがなになっているのにも、理由があります。
習熟するための「練習」だけでなく、みんなでつどって何度もやる「連集」の意味もあるのです。そんな願いも込めて「れんしゅう」としています。
ところで、練習をするということは本番があるということです。
それはいつなのでしょう?
僕は各自の日常場面だと思っています。
仕事の会議のためかもしれないし、自分の考えをまとめるためかもしれません。せっかくやるならば、なんらかの形でそれぞれの生活によりよいものにしてほしい。そして、それを可能にする汎用性が高さがグラレコの魅力でもあります。
注意点
既に書いた通り、「グラレコれんしゅう会」はスキルの伝達ではなく学び合いを柱にしています。したがって、主催者はいますが、講師はいません。
もし技術・コツを手に入れたければ、グラレコのノウハウ本はたくさん出ています。そちらの方が参考になるでしょう。ただ、やってみれば「知る」と「できる」の間の溝に気づくはずです。
毎回プログラムは組んでいますが、来た人のペースや意見によって、こだわることなくどんどん変えていきます。
過去のレポート
グラレコれんしゅう会では、毎回やるたびにレポートを書いています。
具体的にどんなことをしているのか、参加者がなにを学びどう感じたのかがわかるようになっています。興味のある方は是非ご覧ください。
開催情報
【頻度】
通常、月に1度の土日を予定。
【料金】
1000円(学生500円)
当日会場でお支払いください。
【定員】
8名(主催者含む)
【アクセス】
「地域資源長屋なかむら303号室」
〒453-0041
名古屋市中村区本陣通5丁目6番地1
名古屋市営地下鉄
東山線「本陣駅」より徒歩8分
【持ち物】
筆記用具(使い慣れたペンなどがあれば)
見据える未来
最後に、グラレコれんしゅう会をやるにあたってのビジョンを書いておきます。
れんしゅう会ですることは、行為としては描くだけです。
しかし、僕はこのれんしゅう会を通して、自分で自分を変えられる術を身につけられると思っています。
だれかと一緒にやれば、どこかのタイミングで自分と向き合わざるを得ません。各人が続けていれば、やがて自分のあり方を変える選択を迫られる瞬間がくるでしょう。
現在は月に一回土日のどちらかですが、平日の方が参加しやすいという方もいらっしゃいます。やりたい人が増えてくれば、回数も曜日も増えてくるかもしれません。
そして、手を挙げた人が声をかけあって案を出し合って、勝手にやり始める。
グラレコれんしゅう会の型はある程度考えてあります。だから、自分がプログラムを考えてみたい、ファシリテーターとして進行したいという人がいたら、その人に委ねたいと思っています。
グラレコに興味を持つ人の中にはファシリテーションと関連づけて考えている人も多いです。ですかられんしゅう会は場を作る第一歩としては、良い経験になるはずです。
参加費も苦労してプログラムを考えた人が受け取れば良いと考えています。
そして、それがグラレコ以外のことへも繋がっていく。ここで出会い、深まっていった先でなにかが生まれる。そうであったなら嬉しい。そしてここからまた新たなことへと放射状に広がっていってほしい。
自分で自分のことを変えたい。そう願っている人にとって心地良い場でありたい。そんな人が集まり、有機的につながれば、自ずとなにかが生まれてくる。
そんなコミュニティに育っていってくれれば嬉しいです。
だって、人が変わろうとする瞬間の輝きはとても美しいじゃないですか。