冬ざれや高みにひそり高梁城
久しぶりに遠景です。美しい景色を探していたらこんな素敵な雲海を見つけました。この備中松山城は天守閣が残る12名城のうちの一つですが、それほどの大名の城ではなく、明治に入り廃城令により、商家にたった7円(現在の価値で5万円)で売却されました。しかしながら余りに不便なところにある為、解体費用も出せずにそのまま壊されずに残ったそうです。私も数年前にこの城を訪れたことがありますが、確かに駐車場から城に辿り着くまで苦労したことを覚えています。昭和の初期に地元中学の教師の努力もあり、高梁町による修復がなされ、お城として再び日の目を見ることが出来ました。そして昭和16年には国宝(現在の重要文化財)に指定され、一躍全国にその名を知られることになりました。今では天空の城の一つとして重要文化財を超える人気となっていますね。ちなみに、このお城は城主水谷家が断絶した元禄時代、次の城主が決まるまで1年以上にわたり忠臣蔵で有名な大石内蔵助が赤穂藩の名代としてこの城の城番をしていたそうです。と言ってもお城が余りに不便なところにあった為、城主の館(御根小屋)は山裾に別に作られていたので大石内蔵助がこの城に何度行ったのかは分かりません。
冬ざれや高みにひそり高梁城
備中松山城は他の地の松山城と区別する為に備中松山城と呼びますが、別名は地名をとって高梁城といいます。臥牛山(松山)という4つの山からなる山の一つ「小松山」に天守閣や二の丸、三の丸があります。
雲海や後光射したる槍ヶ岳
雲海を突き抜けて見える高い峰はとても神々しいものです。
雲海は夏の季語になっていますが、天空の城と呼ばれる城では晩秋から冬にかけて寒暖差の大きい朝によく見られると言われます。どうしてかと言うと、基本的にお城のある山が低いからで、雲海が出来る為にはそれなりの条件が必要になるのです。雲海そのものは飛行機や高い山の上からなら一年中見られますね。