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鱧料理
今日の絵は夏の季語になっている鱧ですが、生きている鱧の絵ではなく鱧料理の絵にしました。京都では大暑には鰻よりも鱧で栄養をつけるようです。鱧は海の魚ですが、姿は鰻を大きくしたような細長い鱗のない魚です。「喰む」から「はも」と呼ばれるようになったと言われています。そう言えば鱧は海の魚なので穴子やウツボに近いのかも知れません。でもウツボは食べないよなと思って念の為に確認したら高知県や和歌山県ではうつぼ料理があってとても美味しいそうです。見た目だけでは判断出来ませんね。
関西では京都だけでなく夏には鱧を食べる習慣がありますが、関東出身の私にとっては大人になるまで存在を知らなかった魚でした。でも歴史的には縄文時代の京都の遺跡から鱧の頭の骨が出て来ているそうで昔から日本人の食べ物だったようです。何故京都でこんなに鱧が食べられるのか不思議に思いましたが、海から遠い京都では生のまま大阪から運べる鱧は貴重な海の魚だったようですね。ちなみに京都で海の魚と言えば他には日本海から塩を振って日持ちさせたぐじ(甘鯛)や昆布締めにした鯖が有名です。
鱧ちりをエアコン効いた部屋で食い
お茶屋さんでは鱧ちりがメイン料理として出されることがあります。夏の鍋料理ですが、熱々のうな重を食べるくらいですから勿論熱くても大丈夫です。でもやっぱりエアコンの効いた部屋はありがたいです。エアコンは季語ではありませんが、冷房装置とかルームクーラーが冷房の子季語なので完全にアウトでしょうね。でもそんなありがたい時代だということでご勘弁ください。
京御膳端に小さな鱧の鉢
鱧の湯引きに梅肉のタレってとても美味しいです。決してメイン料理という訳ではないのですが、夏になると一品添えられるのがこの鱧の湯引きです。その点ではメインとなる鰻料理とは少し違いがあるのかも知れませんね。つまらない句なので無理やり「ははは!」と詠みました。
新馬鈴薯や肉じゃが肉に西東
関西に始めて住んだのは23才の時でした。肉じゃがの肉は豚肉だと思っていたのに関西では牛肉が当たり前でした。おまけに普通のおでんが関東炊きと呼ばれていてこれはどういうことかと驚いたものでした。鱧を関東で食べないのは鱧が関東の海にはいないからだと納得も出来ますが、牛も豚も日本中にあるのに肉じゃがの肉の違いはなんでだろう?
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