海外生活の記憶 米州2010’s 9 イグアスの滝
ニューヨークにいてナイアガラの滝を何度か見に行くうちにイグアスの滝も見てみたくなり、はるばる南米まで出かけました。イグアスの滝はブラジルとアルゼンチンの国境にあり、それぞれの国にイグアス国立公園があって違う滝の姿を見ることが出来ます。アメリカ滝とカナダ滝のように別の滝というのではありません。ブラジルが上流でアルゼンチンが下流になりますが、でもあまりに大き過ぎて上流下流という感じは全くないです。
私はブラジル側から見学を開始しました。サンパウロ乗り換えでイグアス行きの飛行機に乗りました。飛行場からバスで公園内のホテルに行き、そこに泊まって翌日から見学スタートです。
滝が見えて来ると何故かあまり感激しないのです。ただ滝が一杯あるだけのように見えました。ひとつひとつは大きいのですが、遠くから見ると断崖からただ水が落ちている、そんな感じに見えました。滝の幅は2700メートルと言いますが、これって滝の幅という長さではないです。
でも高さは一番高い滝でも82メートルということなので華厳の滝の97メートルよりも低いのですね。滝に近づくにつれ水の音とその水量に圧倒されます。泥を含んだ滝は黄土色に濁っていますが、轟音が響き、滝の情緒などとは全く無関係、ただただ凄い迫力です。
ナイアガラの滝も凄いのですが、イグアスの滝にはとにかく圧倒されます。誰か有名な人がこれではナイアガラの滝が貧弱に見えてかわいそうだと言ったとか。
この滝はイグアス川にあるのですが、ブラジルの東海岸近くにある山脈から始まるこのイグアス川は海とは逆の西に向かって内陸に下って行きます。イグアスの滝はパラナ川と合流する少し手前にありますが、イグアス川はパラナ川に合流した後はパラグアイとの国境沿いに西に進み、ゆっくりとアルゼンチンの中を東に進路を変えて最後はラプラタ川となってブエノスアイレスの港に到達するのです。想像もつかない長さです。
滝はこんな感じでせり出した展望台から見ることが出来ます。
滝は一段ではなく階段状に落ちて行きます。
風が吹くと谷底から霧が舞い上がり、場所によっては下も見えないくらいです。
歩いているうちにだんだんと滝の大きさにも慣れて来ました。
下の方に向かう遊歩道を歩いているとこんな笑顔の蝶々もいました。
遊歩道をどんどん降りて行くと滝を下から見上げることになり、景色は一転します。
絵葉書になりそうな壮大な景色ですね。
河川敷に張り出す観覧席みたいなところから見るとまた別の迫力ある滝が見られます。
滝の轟音が響き渡ります。
しぶきであたりが見えません。
この大きな滝の裏側から小さな鳥が飛び出して来ました。下の写真に鳥が写っているのがわかりますか。
敵に襲われる心配もなく子育てをしているようです。
ゆっくりと遊歩道にある植物を眺めながら船着き場に向かいます。
ここが熱帯だということを思い出させる植物もあり、緑も豊富です。
船に乗って滝を真下から眺めます。
全体が見えないのですが、何となくナイアガラの滝みたいです。
水上からの滝を楽しんだあとは空から滝の様子を見てみます。
滝はとても大きな馬蹄形になっています。隣にはイグアス国立公園唯一のホテルも見えます。
全体が川でそこに亀裂が入ったようになっているのですね。
どこまでが川でどこが陸地なのか境目がよくわかりません。
地形に段差があり、低い方に溜まった水は一気に下に流れ落ちます。
ブラジル側のツアーを終えてバスでアルゼンチン側に行きますが、途中の休憩地で少しおやすみです。
この地点はアルゼンチン、ブラジル、パラグアイの三ヶ国が接しているところ、三角点です。
野生の動物もひょこっと現れます。
バスを降りて少し歩くと軽便鉄道の乗り場があります。こんなところでトロッコ列車に乗るとワクワクしてディズニーランド気分です。
ここからはアルゼンチン側のツアーです。さっそく船に乗船します。
船は目一杯といっていいくらい滝に近づきます。どこまで近づくのか、少しドキドキです。
下流なので全体が大きくなっているように感じます。
おお〜〜!!
滝の下に吸い込まれそうです。悪魔の喉笛というらしいです。
迫力という点ではアルゼンチンの勝ちです。
滝が一つにまとまらず、水の壁が続いているところもあります。
そろそろイグアスの滝の旅も終わりです。ツアーは一旦ブラジル側のホテルに戻ります。
そして時間調整をして飛行機でブエノスアイレスに向かいました。
ホテルからもイグアスの滝が見えます。
このビールはアルゼンチン産でキルメスと言いますが、なんとアルゼンチンでのシェアは75%とほぼ独占状態です。イギリスの実質支配が進んだアルゼンチンならではと思ったのですが、このアルゼンチン最古のビールは19世紀末にドイツ移民が作ったそうです。そしてワインと違って中南米各国にしっかりと輸出されているそうです。