追悼・信藤三雄氏
アートディレクター・映像ディレクター・フォトグラファー・映画監督・書家であり、ザ・スクーターズのリーダーの信藤三雄氏が2023年2月10日にご逝去されていたことが2月13日に公式にアナウンスされました。
心よりご冥福をお祈り申します。
僕は信藤さんのされたお仕事に影響を受けている人間の一人です。
信藤さんは手掛けられたアートワークを通じて、「格好いい/お洒落であるとはどういうことか」という問の答えを僕に教えてくださった方であると感じています。
中学生の時に触れたフリッパーズ・ギター、コーネリアス、ピチカート・ファイブのCDアルバムのジャケットがとても格好良くて「音楽だけでなく、ジャケットや雰囲気が格好よくてお洒落!だから買ってしまう」と思っていました。
後年、それらのデザインはすべて信藤三雄さんが手掛けられたものと知り、
"自分が「どうしても手に入れたいCD」と「そうではないCD」の違いは、「信藤三雄さんが関わっていらっしゃるかどうか」なのかもしれない"とそれまで茫洋としていた自分の中の判断基準の秘密がクリアになった感覚を覚えています。
2018年の7月〜9月に世田谷文学館で開催された信藤三雄さんが手掛けられた作品が大規模に展示された展覧会「ビーマイベイビー」には、開催期間中、何度足を運んだかわからないくらいいきました(ほぼ、毎週末に行ってたと思います)。
「ビーマイベイビー」の開催期間中に、信藤三雄さんのトークイベントが何回かあり、参加は抽選でしたが幸運にもすべて行くことができました。
あるトークイベントの際、会場からの質問を受け付けてくださるコーナーで僕からの質問にもお答えいただきました。
とてもお優しく、手掛けられたCDジャケットのデザインのように、格好良くてお洒落なお答えでした。
詳細は省略させていただきますが、アートワークやデザインをする際の「精神性」のお話です。
そのお答えは、今もずっと心に残っています。
僕が今やっている仕事は、デザインやアートワークに関連するものではありません。しかし、「精神性」において信藤さんの影響を間違いなく受けながら仕事をしていると思っています。
信藤三雄さん、本当にありがとうございます。
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