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スマホクリエイターズLab.第2期【DAY2レポート】―ZINEって何だ? 構成を学ぶ―

「東海村スマホクリエイターズLab.」1期生の花島です。
2023年8月4日(金)に開催されたDAY2(第2回目)の様子をレポートします。


DAY2のテーマは「冊子を作るプロセスを知る」


前回のワークショップ(DAY1)では、どんなZINEを作りたいかテーマを考えた私たち。
今回は全体構造の作り方を学んでいきたいと思います。
DAY2の講師は、昨年度もお世話になったフリーエディターの松本麻美さんです。
 
ゲスト講師:松本麻美さん

編集者。1988年神奈川県鎌倉市出身。おもに社会課題、SDGs、地域活動、美術などの分野を手掛ける。一般社団法人Think the Earth 推進スタッフ、公益財団法人ジョイセフ編集スタッフとしても活動。好物は本と映画とスイカ。

▼昨年度のワークショップはこちら

雑誌やWebなど、普段私たちが目にしているメディアの構成を松本さんに解説してもらいながら、ZINEの中身を構想していきます。

ZINEの作りをみてみよう

ZINEはおおまかに表すと、このような仕組みになっています。

1. 表表紙
ZINEの顔。一目でテーマが分かるタイトルやデザインだと、手に取ってもらいやすいかもしれません
2. 前付き
本文への導入口。目次や、発行者がなぜこのテーマを選んだのか説明する箇所です
3. 本文
ZINEのキモ。魅力を全力で伝えましょう!
4. 裏付き
奥付とも呼ばれていて、発行に関わる情報が掲載されます。編集後記が含まれることも
5. 裏表紙
表紙の裏側。表紙とつながったデザインにするなど、工夫次第でおもしろいものが作れます

さらに本文の構成にも迫ります。

構成例。松本さん作成資料より

【大見出し】
タイトル。内容全体がひと目で分かるキャッチコピーとして伝えます
【小見出し】
各文章ブロックを一言でまとめます
【リード】
記事の導入にあたる部分
【ノンブル】※冊子の場合
ページの数
【キャプション】
写真やイラストの説明

このように見ていくと、構成のギミックがなんとなく分かってきましたね。

冊子のテーマと企画を考えよう

いよいよここからはワークショップの時間。ZINEの企画を考えていきます。

テーマと企画の考察例。松本さん作成資料より

漠然としたジャンルからどのように発展させて、冊子の中身を考えていくか。
松本さんからはこんなアドバイスがありました。

松本さんジャンルと自分の関心ごとを掛け合わせると考えやすくなります」

例えば「コーヒー」というジャンルでZINEを作ろうとした時に、「コーヒーの淹れ方」という自分の関心ごとを掛け合わせると、ドリップ方法の解説など企画が思いつきやすくなりますね。

松本さん「そこにプラスして、視点を自分にするか、他人にするか、専門家にするか。その表現方法を写真にするか、テキストにするか、イラストにするかによって企画がさらに広がります」

先ほどの「コーヒーの淹れ方」の場合、専門家視点で語るならコーヒーの専門家の発言をまとめてみる。自分視点にするなら淹れ方の飲み比べをしてみる、など。それらを写真中心で組み合わせるのか、テキストで展開するのかで、個性が発揮されるのではないでしょうか。
 
なお、「企画がまったく思い浮かばない!」という時には、思いついたアイデアを単語などで書き出してみるとよいそう。また似たようなジャンルを扱っている本やWebサイトを参考にして、自分ならどういう視点で切り取るか手がかりを探すのもおすすめだそうです。

目次を作ってみよう

内容を書き出したら、どのような順番に並べるか目次を考えます。

松本さん「目次は、このZINEを企画した全体像、次に詳細、最後にマニアックな事柄というふうに、大きな話から順番に並べていくと読みやすいです。話題の大きさでページ配分を変えるとリズムがよくなります」

例えば「コーヒーの淹れ方」でZINEを作る場合
・コーヒーのドリップ方法の特集【全体像】(4ページ分)
・バリスタに淹れ方についてインタビュー【詳細】(2ページ分)
・おすすめ道具コーナー【マニアック】(1ページ分)
 
このようなページ配分だと、流れがよくなるかもしれません。

台割に書いてみよう

内容と目次をまとめたら、さっそく台割に記入していきます。

台割記入例。松本さん資料より。

文字を書き進める方向には縦書きと横書きがあります。
縦書きだと右開き(例:新聞、小説など)、横書きだと左開き(例:マニュアル、カタログなど)になるので、台割を書き始める位置も要注意です。
 
レイアウトは縦書きで右開きの場合「右上→右下→左上→左下」、横書きで左開きの場合「左上→左下→右上→右下」に目線が移動することを意識して配置するとよい、などプロの技を教えてくれました。

プロに質問してみよう

ワークショップ中は、松本さんや事務局スタッフがひとりひとり受講生に声をかけてアドバイスを送ります。講師に直接質問ができるのも、東海村スマホクリエイターズLab.の魅力のひとつです。

あがった質問のうち、いくつかピックアップしてみました。

Q. 見出しを考えるのが難しいです。どうやってつけていますか?

A. 松本さん事前に下調べをすることが大事だと思います。企画段階で大見出しに書く内容はだいたい決まる。次は中身に着手する。ここで大まかなブロックを決めます。実際取材した際にマークしていなかったけどおもしろいことがあれば臨機応変に対応する。それらを書き出してみて、最後に調整するのがベストかなと思います」

取材の下調べについては、昨年度のワークショップDAY5「取材の仕方・リテラシー」が参考になりますよ!

Q. インタビューで知りたい内容が引き出せなかったら、どうしたらいいですか?

A. 松本さん「2つの進め方があります。その人に取材することが目的の場合は、話を聞きながら取材対象者が興味を持っていることを探ってテーマに設定し直す。テーマの方が重要な場合、希望の話が聞けなかったということで別の取材対象者を探す。すでに取材した人の分はこぼれ話的なコーナーを作って掲載したり、取り上げることをやめるという選択肢も生まれます。いずれの場合も、相手に失礼のないようお知らせすることを忘れずに

取材を受けてくださった方へのリスペクトを忘れないことが大切ですね!

DAY2ではZINEの骨格が組み上がってきました。
 
次回8月18日(金)のワークショップは、チーム運営やデータの扱い方について。
ZINE作成以外にも、noteやInstagramで情報発信をしている私たち。
情報管理の仕方や共通アカウントの使い方について考えていきます。

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