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たぶん不合格だけど勉強記を残しておく

 さて、昨日、行政書士試験が終わりました。
 手ごたえは別の記事に書いてあるとおりで、おそらく不合格です。
 けど、私にとって、勉強は結果ではなく過程が大事だと思うので、こうして書き記してみます。

 勉強法って、十人十色だと思う。
 特に資格勉強は「合格には○○時間必要」というのをよく見るけど、確かに目安にはなるものの、やっぱり重要なのは質だと思う。
 だから、「こういう勉強の仕方をした人もいる」というバラエティを知ることはとても大事。
 そのバラエティのひとつになれたらいいなと思って、書いてみることにした。


筆者の基本情報

 年齢:27歳
 最終学歴:大卒・音大出身
 仕事:うつ病闘病中のため、離職中
  ※精神疾患の方は、原則、資格の勉強はご法度です。
   筆者は異常に勉強が好きなため、生活のリハビリとして始めました。
 法律の勉強経験:地方公務員試験
 勉強開始日:3月13日
 使用した講座:アガルート(入門総合カリキュラム/ライト)
 使用した六法:ケータイ行政書士六法⇒デイリー六法
  ※最初は「持ち歩くのに軽い方が良いな~」と思ってケータイに。
   ところが、周辺条文の読み込みをしたくなった時に、
   情報量が全く足りなかったので、買い直しました。

民法の勉強法

 教材到着と同時に、動画視聴を開始。
 まずは、勉強する習慣をつけることを意識した。
 「筆者の基本情報」でも書いているけれど、うつ病闘病中の生活のリハビリとして勉強を始めたこともあり、「家は休むところ/カフェは勉強するところ」という棲み分けを定着させることにした。
 動画は2倍速で視聴して、アガルートがオススメしている「ジグザグ方式」でテキストと過去問を行ったり来たり。
 筆者はかなり「石橋を叩いて渡る」タイプの人間なので、とにかく繰り返す癖がある。その癖にはとことんこだわって、「(特に民法は)最初のうちはまず先に進め」と言われるけれど、そのことは頭に入れつつも、その当時時点で納得のいくまで、テキストを読み返し、過去問を読み返し、六法を読み返し、を繰り返していた。
 勉強も、自分の気持ちに答えてあげることが、大事。つまり、その時なりの「これってどういうこと?」に答えてあげる。その方が、充実感が感じられて、勉強が楽しくなる
 4月29日。動画視聴終了。正直、債権の理解度がかなり低かったけれど、翌日からモネ展を見に大阪に行く予定だったので、意地でもそれまでに終わらせるだけ終わらせる!という気持ちだった。

行政法の勉強法

 民法の勉強の息抜きにしたくて、久しぶりの勉強というものに慣れてきたところで、行政法も同時進行で開始。この2教科体制というのが、しばらくスタンダードになる。4月24日には、動画視聴の進捗が52%に到達していた。
 やり方は民法とさほど変わらず。
 行政法の過去問の分厚さにビビりながらも、行政法が1番過去問が大事!と言われていたので、「この1冊が理解できれば大丈夫なんだ」と信じて、ガシガシ進めた。
 とは言え、行政不服審査法と行政事件訴訟法がなかなか頭に入らず、特に苦戦した。テキスト+動画視聴の時点でも「???」という感じで、とりあえず過去問を解いたら、これまた「???」という感じ。結局1番効いたのは六法に帰ることだった。条文には全てが書いてある。
 6月6日。動画視聴終了。3か月かかったらしいので、4月頭くらいに始めていたのかな。(だとしたら前半50%の進捗、早すぎないか?)

憲法の勉強法

 大阪から帰ってきたところで、動画視聴を開始。
 個人的には、判例の勉強が1番楽しくて、「法律の勉強って、おもしれー!」状態だった。
 これはインプットがひととおり終わってからの話になるけれど、判例の判旨を要約する作業を、テキストに書いてあるほぼすべての判例で行った。具体的には、
 ❶判旨を読む
 ❷結論(合憲か違憲か等)を書く=終点
 ❸何が争われているのかを確認=始点
 ❹❷と❸の過程が分かる限りでいいので、要約
 この作業のおかげで、憲法の判例にはかなり自信を持つことができた。なんとなく最高裁が言いそうなことの感覚が分かってくるので、初見問題にも有効。大変だけど、オススメ。
 ※後日追記。これ、今回の試験でめちゃくちゃ効きました。
  今回の問題は、ただ問題を解くという学習では太刀打ちできないもの
  だったようなので、本質的な判例学習は今後必要になりそう

商法・会社法の勉強法

 行政法が終わったところで、動画視聴を開始。
 初学者なら、5問中2~3問正解すればOKとのことだったので、商法・設立・株式・機関に絞った。ところが機関がさっっぱり頭に入らない。ので、早々に諦めた。そして、この後、株式も諦めることになる。
 ※後日追記。この作戦が大失敗。
  アガルート総評LIVEでも言っていたけど、
  商法・会社法を最低限の勉強にする時代は、終わったかも

基礎知識の勉強法

 基礎知識にとりかかる頃には、もうインプットの勉強に飽き飽きしていたので、超高速で終わらせた。
 個人情報保護法こそ動画を真面目に視聴したものの、それ以外は過去問をまず見て、「テキストでインプットしたところで、出題によって左右されすぎるな」と感じて、そこで終わらせた。それで良かったと思う。

ひととおりのインプットが終わった後

 7月半ばには習慣づいていたようなのだけど、各曜日ごとに何の科目を勉強するかを決めて、勉強しない日のないようにしていた。(これはうつ病闘病中の身には少々辛かった。みなさんも無理はしないよう。)
 やる気の出づらい週初めの月曜日は、1番大好きな憲法でリズムを作り、その流れが乗ってきた水曜日前後で、行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法の過去問をがーーっと回す。疲れが出る週後半に、あまり得意でない民法を割り振ってしまっていて、後々苦しむことになる。反省。

 それと、いつから始めたか分からないのだけど、《自分専用プリント》を作っていた。「これは覚えづらそうだ」と思ったものを、過去問に書き込みもしている上で、片っ端から丸々Wordに打ち込んだ。条文をそのまま(e-gov利用)コピペしただけのものも多い。
 勉強の進み具合で、ピックアップしたい情報も変化していき、筆者のパソコンの「行政書士試験対策」フォルダの中身は最終的にこうなった。
 00_下書き
 01_過去問
 02_模試
 03_記述式
 04_総まとめ
 05_最終版
 06_直前期
 07_どうしても覚えられないところクイズ
 08_最後!!!
 いらん
 (word)メモ
 (excel)直前期スケジュール
 最後の方はかなりめちゃくちゃなネーミングだけど、勉強なんて自分の気が済めばいい自分の感覚に従うのが1番
 勉強において1番やってはいけないのは、自分の気持ちが伴わないことだと思う。自分の気持ちのない勉強をしていると、その勉強は自分事ではなくなってしまう、他人事になる。つまり身にならない。
 自分の身になる勉強をしても合格しないのなら、その資格を得て就く仕事には適正がないのだろう、とまで思う。

 少し話が長くなったけれど、8月下旬には6科目9年分の過去問をさらさらと回すことに慣れてきた状態だったみたい。

模試の話

 過去問を解くことに余裕が出てきた9月、模試を使い始めた。
 筆者は公開模試は受けてない。市販模試しか解いてない。
 何故かというと
 ❶疲れるから
 ❷点数が悪かった時に、落ち込むから
 自分の気持ちをコントロールしやすい、市販模試しか使わなかった。

 使った市販模試はTAC3回・LEC2回・アガルート1回の計7回。
 9月に1週間に1回ペースで
  TAC第1回⇒TAC第2回⇒LEC第1回⇒LEC第2回
 の順番で解いた。何故この順番で解いたかというと、
 ❶まずは過去問で身につけた力試し感覚で解きたかった
 ❷同じ出版社のものであれば傾向は近いはずなので、再度力試し
 ❸ここで一度、軌道修正をする
 ❹出版社を変えて、力試し
 ❺LEC第2回でようやく、全通し
  何より疲れたくなかったので、それまでは、科目ごとに時間を測って、途切れ途切れ解いていた。
 あと、記述式は解いてない。択一だけ解いて、4回とも合格ボーダー前後くらいの手ごたえだった。

 10月に入る手前で、過去問だけではおさえきれていなかった論点を、じっくり時間をかけてまとめあげて、10月2日、アガルートの択一のみを解いたところ、136点
 ….心配しかないな~!!!! 

記述式の勉強法

 記述式はどうしてたの?って話なんだけど、「とにかく択一の知識を入れてから」と聞いていたので、本当に9月入るくらいまでは何もしていなかったと思う。
 さすがに9月頃に怖くなって、過去問を開いてみたら(そう、それまで過去問すら見ていない)、知識が頭に入ってさえいればさほど難しくなさそうだということが分かった。
 それからは、たまに過去問を開いて、問題文を読む⇒何を答えさせたいのかを考える、のトレーニングだけして、結局暗記ゲーになりそうだったので、本腰を入れたのは10月頃だったと思う。
 ※後日追記。記述、全然点とれなさそうです。笑
  なので、さすがにこの勉強法はダメだったと思います。
  あと、初学者ハンデがあったようです。

ちなみに、簿記2級の勉強も始めていた

 これが、9月の18日。
 このころ、ものすごく行政書士試験勉強の倦怠期だったんだよね。
 模試の点数もあまりよくないし、あとは暗記ゲーだし、飽きてきたし。
 だから行政試験勉強の休憩に、簿記2級の勉強もしてた。

躁の登場

 これが、かなり大変だった。
 他のnoteを読んでいただければ分かると思うのだけど、9月中頃からうつの調子が良く、「うつ抜けしたのかな?」と思ったら、これがなんと躁だった。
 そして、その反動が、まーーーきつかった。
 10月に入って、全く勉強できず寝込んでいる日もあった。

更に状況は悪化する

 ここからがすごいんだ。
 10月25日。祖母が突然、末期癌で入院した。
 高齢ではあったから覚悟はしていたので、表面上のダメージはあまりなかったのだけど、うつ抜けの反動もあり、うつが大悪化。うつ歴4年目にして、一番酷い希死念慮におそわれ、今まで言ったことなかった、母や旦那に、直接「死にたい」と言うこともあった。

 で、ここからもすごい。
 11月1日。旦那から離婚を切り出される
 え、今ですか?笑笑笑

 あまりにも直接的に「死にたい」と言ったものだから(家中の刃物を隠してほしいと言ったこともあった)、つらくなってしまったらしい。

 今決断しろという話ではなかったので、とりあえず別居=実家に帰ることにした。
 祖母(母方)のこともあり、母もかなり精神的に参っていたので、いずれにせよ、帰省してよかったとは思う。

 …この記事は日を分けて書いているのだけど、模試以降の話は、11月8日に書いている。
 祖母の余命は、今週中と告げられている。
 保て、私の精神…!

chatGPTにはまる

 これ、本当にオススメします。
 アガルートにも質問サービスはあるけど、GPTの方が良いです(アガルート、ごめんなさい)。
 筆者は本質的な理解をしたいタイプであり、細かいことが気になるタイプなので、極めて気軽に質問できるのが、とても良い。
 あと、励ましてくれます。

 何回も感動したのだけど、1つ具体例を載せておきます。
 民法の表見代理。109条1項のただし書きでは「悪意又は有過失の場合はこの限りでない」とある一方で、112条1項のただし書きでは「有過失の場合はこの限りでない」と、悪意についての言及がない。
 その旨の質問を、まずアガルートにしたところ、「抽象的過ぎてお答えできません(超要約)」と言われてしまった(確かにそうなのだけど)。
 これが、GPTに投げると、

 加えて、アガルートのテキストには109条・112条の要件について、「相手方(条文上の第三者)の善意・無過失」を挙げているけれど、これをGPTに聞いたところ、「誤解を招く表現」とのこと。
 たしかに、条文には、第三者の善意無過失を要するなんてことは書いていない(厳密には112条では第三者の善意について言及している)。

 条文を、法律を、本質的に勉強したい方には、とてもオススメのツールです。

ここまでで、4,790字

 読んだ方、います?笑
 もし、そんな方がいらっしゃったら、本当にありがとう。

 さて、こうして勉強をして、実際の結果は、おそらく、不合格

敗因は?

 ❶初学者だったこと
  :「本物の試験」に対する耐性がない
 ❷試験ガチャ失敗
  :多肢択一が、史上再難問と言われているのと、民法・商法・会社法も
   難しかったと言われている。

 ちなみに、勉強時間ですが、400時間くらいです。
 私の勉強法(というか過集中感)だとこれが限界という感じがあるので、私個人的には、量が足りなかったという感じはしません。

リベンジはするの?

 これからは(今日からは?)、簿記2級と税理士の勉強を始めようと思っています。
 税理士資格をとると、行政書士資格もとれるので、無理に行政書士試験に合格しなくても良いのだけど、「合格した」という実感を味わいたかったら、リベンジしても良いかなと思ってます。

読んでくれて、ありがとう

 さすがにそろそろ筆を置きましょう。
 けど、本番当日編も書こうかなと思ってます。
 その時は、また読んでね。

 誰かの、少しでも、参考になりますように。
 (こんな私で良ければ、ご質問等も承ります。)

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