コロナのある日常について紡ぐマガジンです。ふつうの人たちによるゆるやかなエッセイリレー
梅雨のはじめ、 父とマンゴーを食べた。 縦半分に切ったあと、 サイの目に切り込みをいれたら、 皮を実の方に押し出して、 ハイ、3D。 フォークでひとさし、食べやすい。 覚えなくても、世間が教えてくれる。 まあ、便利。 残ったタネのまわりの実を 削いでいて、思った。 「ああ、イカのフネ。」 そういえば、 初めてマンゴーを食べたときも 同じことを思った気がする。 角のとれた丸い石。 発泡スチロールと貝殻と花火のかけら。 ふきだまりのような海岸は、 一足ごとにザリザ