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キリロム工科大学の卒業生と働く日本人にインタビュー!現場のリアルを聞きました!

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キリロム工科大学はITエンジニアを育成する大学です。
卒業後は起業をしたり、日本など海外企業をはじめとしたスポンサーに就職したりするのですが、一部の学生は自社に就職し、ITエンジニアとして働いています。システムの開発や保守運用業務、AIのデータ作成業務などを、主に日本の企業から受託して開発納品するのが彼らの仕事です。
彼らをリードしているのは、日本からやってきたベテラン二人(MさんとIさん)。今日はこのお二人にインタビューしてみます!

お二人はどういったご経歴なんですか?

Mさん
大学卒業後に、日本の中堅のシステム会社でシステムエンジニアをしていました!帰国子女ではなく、純日本育ちです。海外暮らしはカンボジアが初めてなんです。もうすぐ渡航して1年になります。
Iさん
私はいま営業やマネジメントを担当しているんですが、私も純日本育ちのカンボジアが初海外暮らしです!もともと人材業界で10年以上、営業とか新規サービス立ち上げとか色々やってました。奥さんと息子と私の家族3人でカンボジアに移住してきました!

お二人とも初めての海外生活なんですね!Youはどうしてカンボジアに?(笑)

Mさん
前職は純和風の会社だったんですけど、私は総合商社の案件に入っていたんですね。その時に海外のエンジニアと触れ合うことが多くて、グローバルなキャリアを意識していたんです。いろいろとグローバルな仕事のチャンスを探している中で、たまたまこのプロジェクトを知りまして。カンボジアってあまりITのイメージなかったんですが、キリロムのビジョンに惹かれて一念発起して渡航しました。
Iさん
私は海外移住する予定はなかったんですけど、奥様がスピリチュアルな人で、「カンボジアが呼んでる」とある時に言い出したんですよね。割といままで何でも合理的に人生の岐路を判断してきたので、直感的な判断に身を委ねることがあっても良いかな、と思ってカンボジア行きを決めました。キリロムとの出会いも偶然です!プロジェクトを知って、一緒にチャレンジをしたいと思って、今ここにいます。

それぞれどういったお仕事をされているんですか?

Mさん
私はお客さんとの技術的な要件のとりまとめとエンジニアのマネジメントです。プロジェクトマネージャーとか、ブリッジエンジニアとか言われる仕事です。
Iさん
私は営業担当ですね。日本のお客さんから案件をいただけるように広報活動をしたり、打ち合わせをしたり。いまはオンラインでお話するのが当たり前になったのでカンボジアからでも不自由なく活動できています。
Mさん
とはいっても、まだ立ち上げ直後の組織ですし、未整備な部分ばかりなので、二人とも何でもやってますよね(笑)
Iさん
そうですね(笑)走りながら、ないものは作るみたいな感じです。ベンチャーです!

日本のお客様からはどういった仕事を受注されているんですか?

Mさん
Webアプリケーションやモバイルアプリ、Webシステムの開発のほか、AIの教師データ作成やLP(ランディングページ)、Webページの受託開発などを行っています。運用保守も最近やってますね。あとはカンボジアの国内でもシステム開発ニーズがあるので、そういったプロジェクトもやっています。

いろいろあるんですね。Mさんは具体的にはどういった業務をされるんですか?

Mさん
ブリッジ、橋渡し役として、カンボジアの開発メンバーと日本の発注者様との間にたって、プロジェクトが滞りなく進むようマネジメントしています。発注者様からのご要望に対し、提供できるサービスを考えて、それを提案するための打ち合わせも主導します。
場合によっては、開発チームのエンジニアにも打ち合わせに入ってもらって、その場で質問してもらう。また可能なかぎり、デモ画面を共有して、今できていて、今動くところを見ていただくようにしています。
お客様は英語が話せないことが多いし、我々のエンジニアは日本語があまり話せません。そこのコミュニケーションのズレをいかになくして、スムーズに成果を出せるかを管理するのが私の最大のミッションですね。
Iさん
Mさんを横から見ていて思うのは、彼女はメンバーの顔をお客さんに見せるんですよね。僕はそれをとても良いなと思っています。
僕自身、以前は発注者の立場で海外のエンジニアとシステム開発をやっていたことあるんですけど、僕あまり英語が喋れないんですよ。いまもそんなに得意じゃないんですけど。。でも結局は人間同士なんですよね。なので、やっぱり顔を見れば「彼は自信あるんだな」とか「ちょっと困ってそうだな」とか分かるし、顔を見て話すことで伝わるものって結構あると思います。
そういう意味ではカンボジアメンバーをお客さんの前に出す彼女のスタイルは日本人にとっても良いなって思ってます。

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ただ橋渡しするだけじゃなくて、相互を近づける努力をなさっているんですね!確かに日本人も英語勉強した方が良いですよね。

Iさん
そう思うし、そう思ってる人や会社は本当に多いですよ。強制的に公用語を変えるとか、英語のレッスンを無料の授業を受けられるとか、取り組んでいる会社も増えた印象です。でもやっぱりシステムの品質面を考えるとどうしても日本語で、となるんですよね。キリロム工科大学はグローバルリーダーになれる日本人を増やしたいというのがビジョンにある大学ですから、その関連事業である我々もそこに寄与したいと思ってます。
Mさん
キリロム工科大学の卒業生はみんなすごく英語が上手ですよ。でも日本人に対してすごく敬意を払ってくれる国民性だし、お互い第二言語ということもあるから、我々の下手な英語もちゃんと聞こうとしてくれる。正直すごく良い英語学習になってます。役得です(笑)
Iさん
確かに!それはありますね。よく二人で「最近英語うまくなりましたね」なんて言い合ってます(笑)

国民性の話になりましたが、働き方に関して日本と違うところはありますか?

Mさん
これは声を大にして言いたいんですけど、おそらく違うのは日本の方なんだと思います。グローバルでみると日本人の働き方は特殊だと思います。すごく時間に厳しいし、いつも忙しそうにしてる。あと仕事の精度が高いと思う。運用力っていうんですかね。一度はじめたら結構運用周りますもんね。
Iさん
同感です。よく言われることですけど、役割を明確にする、何をしてほしいかハッキリ伝える、というのは日本から出たら絶対に必要なことだと思います。

キリロム卒業生達の働きぶりはどうですか?

Iさん
みんな頑張ってますよ!遅刻せずに毎日ちゃんと会社きてますし!(笑)能力的には大学で実践を積んできているので、とりあえずはできますよね。でもキリロムのプロジェクトってベンチャー的というかスピード重視の開発スタイルなので、荒削りにつくってそれをブラシュアップしていく、みたいなスタイルなんですよ。だから、日本のお客さんの精度を求める仕事にチューニングするところでMさんはすごく苦労してるように思います。
Mさん
そうですね。いろいろな開発手法があってそれぞれ良し悪しがあります。ただ自分たちのオリジナルのシステムではなくて、お客さんの定めた要件や詳細設計に沿って開発するのは、みんなそんなに得意じゃないかも…。でも基礎があるので、しっかり成長してくれてます。そもそもまだ20歳そこそこですからね。日本の新卒1年目と比べたら立派なものです!
Iさん
ちょっと話変わるけど、みんなすごく仲良いですよね!
Mさん
4年間一緒に寝食をともにした家族みたいなものですからね。チームワーク良いですよね。そこは安心感があります。変な社内の揉め事がないというか(笑)
Iさん
今でもプノンペンでルームシェアして一緒に住んでるメンバーもいますもんね。どんだけ仲良いんだ(笑)
Mさん
プノンペンは家賃高いですから、経済的な側面もあるんですよ。
Iさん
そうか、給料上げて一人暮らしできるように頑張ってもらいましょう!家賃が高いところでルームシェアするのかもしれないけど。

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生活の話になったので、脱線しても良いですか?(笑)ランチとかどうしてるんですか?

Iさん
ほんとに脱線しましたね(笑)前提として我々のオフィスはキリロムではなくて首都のプノンペンの外れにあります。お弁当持ってきてる人と近所の食堂で食べてる人が半々です。カンボジアのお弁当は日本と似てると思いますよ。四角いお弁当箱に、ご飯とおかず二品、みたいなスタイルが多いと思います。おかずは野菜と肉の炒め物とかそういうのが多い感じします。ちなみにカンボジアの味付けは日本人に合うと思います。白いご飯も似てると思うな。品種とか水気とか。
Mさん
私達はよく近所の食堂に行ってますよね。私はカフェと呼んでますけど(笑)メニューにはいろいろ写真が掲載されてるんですけど、いつも作れるメニューは限られています!私は大体5種類くらいのメニューをローテーションさせてます。ジャスミンティーがついて2ドルくらいです。美味しいですよね?
Iさん
はい、美味しいです!僕は週3でバイチャー(炒飯)ですけどね。最近サービスでフルーツが付く日があるんです。マンゴーとか。フルーツも本当に美味しいですねぇ。メンバーたちも隣のテーブルでわいわいランチしてます。

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カンボジアのマンゴーは最高ですよね!すごく安く買えますし!さて話を戻して、カンボジアのコロナの状況はいかがですか?働き方への影響とか。

Iさん
21年の2月までは感染者数も少なくて亡くなった方もゼロだったんです。なので、日常生活にも仕事にも影響がなかったんですけど、とあるコミュニティブレイクで被害にあった方が多くて、3月以降は感染が広がってしまってます。いまは外出規制が入るようになりました。法律の改正などもそうらしいのですけど、すごいスピード感で国の施策が実行されるのには驚きました。
Mさん
我々の事業もいまはリモートワークを導入しています。半分半分でグループ分けして、シフトでリモートワークしています。一気に進めたんですけど、思いの外スムーズに導入できたと思います。
Iさん
これを主導してくれたのはMさんですね。ルールとか導入説明とかスピーディに進めてくれました。ツールはoVice(オヴィス)というバーチャルオフィスを使っています。本当にオフィスで一緒に働いているような感覚になります。勤怠管理や立ち話がしやすいので、このツールには助けられました!オススメです。
Mさん
みんなデジタルツールに慣れるのが早いですよね。初日にTipsが出回ってましたもん(笑)みんなのキャッチアップ力にも助けられました。

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さて最後に、これからの取り組みや今後の目標を教えていただけますか?

Mさん
カンボジアの人は繋がりを大切にしていて、これは世界中で通用するところだな、って思ってます。ITエンジニアの世界は会社や国を超えたコミュニティが沢山あるんですね。特定のIT言語や新しい技術についての教え合うような場が沢山あります。そういうところで発信して学んで、カンボジアIT技術全体の向上に繋がるようなメンバーを育てたいな、と思っています。
あと、日本の基本情報技術者などのITの国家資格があるのですが、アジア各国に輸出されていてそれぞれの国でも国家資格になっているんです。カンボジアはまだ参加していないんですよ!個人的な目標はこの資格をカンボジアにも導入することです。
Iさん
やっぱり日本のITエンジニア不足に貢献できるようなチームにしたいですね。いまはまだまだ経験が不足しています。多くの良い仕事経験を彼らに積んでもらえるように色々と工夫していきます。
あと、それぞれのキャリア希望が叶えられるような複数のキャリアパスを作れるようにしたいとも思っています。キリロム工科大学を出たけど、エンジニアリングはそんなに好きじゃないっていう人もいるし、マネジメントをやりたいっていう人もいるし、デジタルマーケティングに特化したいという人もいます。事業の方向性とみんなのキャリアの方向性が合ったら幸せだな、と。そんなことを考えています。

Mさん、Iさん、リアルなお話をありがとうございました!これからもキリロムの卒業生の活躍を期待しています!

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