風呂釜の反乱
我が家は賃貸住まい。
風呂釜は浴槽の横に
設置するタイプ。
かなりレトロな感じ。
夏のある日。
シャワーを浴びて、
いつもの様に風呂掃除をして
ガスの元栓を閉めて
点火のダイヤルを「止め」の位置まで戻した。
あれぇ…
口火ランプが点滅してる…
明らかにいつもと違う現象だ。
元栓を開けて、
もう一度点火してみようと試みた。
いつもなら「カチカチ」っと音がして点火されるのに、音がしない…
さっきまで出来てたのに…
点火の為の電池切れ?
過剰に風呂釜掃除したから?
電池を変えてみたり、
電池周りを拭いてみたり
パソコンみたいに少しおいて
再起動してみたり…
でも一向に変化なし。
次の日仕事中の短い休み時間に
風呂釜業者と大家さんに連絡して、
修理依頼。
休みが取れないので、
3日程空けて修理に来てもらう事となった。
夏で良かった…
この暑さで、水もなま暖かい。
「念のため電池は抜いとこう」
と思って風呂釜に向かうと、
「ポタポタ」と風呂釜から水が漏れる音が…
浴槽の風呂釜に向かう穴から勢いよくホースで水を入れて念入りに洗ったから、壊れたんかも…
幾らかかるんやろう…
全部取っ替えたら20万以上するみたい…
大家さん出してくれるん?
3日後。
ようやく修理業者さんがきてくた。
私:
「点火しないんですよ。
カチカチ鳴らないの
電池は新しいのに…」
修理屋さん:
…電池を入れて、点火してみる…
「カチカチ」…???…
と、何と、音を立てて点火できるではないですか…???
私:
???どういう事???
「イヤイヤ…
カチカチできなかったんですよ…」
修理業者のお兄さんは、
湯沸かし器の外側のボルトを抜いて、
中身を見せながら、丁寧に
点火の仕組みを教えてくれました。
結論から言うと、
原因は風呂釜の中を洗ったからではなく、湯沸かし器そのものに水をかけてしまったからでした。
多少の水には対応できるが、
洗うほど水をかけると、
機械のなかに水が入り、
不完全燃焼を防ぐために安全装置がかかった状態になっていたと思われる
との事でした。
基本的には
水が抜ける構造になっているので、
ポタポタ音がしていたのはその音。
3日も経って完全に水が抜けたので、安全装置が解除され、自然に治った。
とのことでした。
お兄さんはまるで、子猫を新しい飼い主に譲り渡すかの様に、
風呂釜君の事を丁寧に説明してくれました。
水かけたらあかんかったんやぁ…
機械や物の製造者と使用する者とのこんなやりとり。
昔はもっと当たり前にあったなぁ。
最近は電化製品なんか、ほぼ修理のやり取りがされないままに
「そろそろ寿命です」
と言われ買い替える。
一緒に暮らすのに一向に仕組みがわからんまま何となく物と向き合って生活する…
勿体無いなー
面白味 ないなー
って思う。
使う人が、物の事を知る機会がもっと身近だと良いなぁ…って思う。
断捨離も良いけど、
知性のある物との付き合い方をしたいものです。
修理業者のお兄さん
ありがとうございました😊