ライターの単価を上げる3つの理由を編集サイドの視点から解説する
こんにちは。
forReaderコンテンツ事業制作事業部で、編集長をやっている青井です。
当方はWebコンテンツ(記事、サイト設計、集客事業など)全般を請け負うWebコンテンツ制作サービスを営んでいます。
私自身、元々はゲームライターからWebライター、編集者というキャリアを経て今に至ります。
どちらかと言えばライターの経歴の方が長いので、その分、ライターさん寄りの視点で情報が発信できるかと思い、記事を書いています。
ライターからの視点ではどうしても見えにくい、記事を発注する側の視点からの情報を交えてお話できればと思っています。
自己紹介はこのあたりにしまして。
本日は「単価交渉」のお話です。
「単価を上げるためにクライアントと交渉しよう!」という発信は、SNSなどで割と頻繁に発信されています。
などなどの声を聞きますが、日頃見ていて、私は重要な視点が抜け落ちているなと感じます。
それは、単価の決定権を握っている側の視点です。
就活の面接で受かるコツを聞きたければ、採用担当者の話を聞くべきですし、アルバイトの時給を上げる方法を知りたいのなら、相談すべきは先輩アルバイトではなく、時給を決めている店長やマネージャーです。
私自身10年近くライターとして活動し続けてきましたが、ライターでいるうちは、そういったことはなかなか聞きにくいですし、情報が入ってきませんでした。
と何度も思ったことがあるので、自分が編集長――単価を決める側に回って改めて、どういう風に単価を決めているのか、どういうライターさんは単価を上げたいと思っているのかを、発信しようと思った次第です。
編集側がライターさんの単価を上げる理由は主に3つあります。
①そのライターさんに離れて欲しくないから
おそらくですが、これがもっとも大きな要因かなと思います。
単価交渉をしてくる=そのライターさんは現在の単価に不満を持っていると編集側は受け取ります。
ここで単価アップの要求を断れば、ライターさんは単価の高い他のメディアを探す可能性が高まるでしょう。そうさせたくないので、出て行って欲しくないライターさんには単価を上げてでも仕事を続けてもらおうと働きかけます。
記事にも制作費があるので単価アップといっても限界はありますが、ライターさんにいて欲しいなら、単価を上げて引き留めます。逆を言えば、そのライターさんにいて欲しいと思わなければ、単価の交渉に応じることはありません。
(単価が上げられない原因はすでに原価をギリギリまで上げている場合や、メディアの経営が苦しい場合などの要因もあるので、一概に”ライターさんが不要だから”という理由だけではないです)
②別の作業もお願いしたいから
ライティングだけをやっていたライターさんに、画像挿入やマークアップ(文字に色をつけたり強調したりすること)、記事の入稿など別の作業をお願いする場合も、単価を上げる場合は多いです。
このあたりをすごくシビアに言えば、仮に画像担当を別の人にやってもらおうと思った場合、担当者を募集する広告費、ライターと画像担当者を別々に管理する工数などがかかります。なので、今いるライターさんに一律でお任せした方が割がいいので、記事に関する作業を別のライターさんにお願いする、代わりに単価に上乗せするという形で交渉することがあります。
③予算が増えたから
記事の売上が増えた、コンテンツ制作の予算を増やしたといった要因でライターさんの報酬が上がることはあります。
この場合は制作に対する還元という意味合いも大きいですが、ライターさんの単価を全体的に上げることでより質の良いライターさんを募集したい思惑や、記事の売上を増やせるような実力のあるライターさんを手放したくない意味合いが大きいです。
メディアの業績が好調なら、ライターさんの単価交渉もしやすい傾向にはあると思います。
単価交渉で必要な材料とは?
上記要因から、単価交渉をどう進めればいいのかも見えてくるのではないでしょうか。
ダメな方法から書きます。
①は、メディアには関係ないのでどうすることもできません。お仕事を増やして欲しい、別のお仕事がないかを尋ねてみるという交渉なら応じられますが、単価交渉には応じてくれないメディアがほとんどだと思います。
②は、やってくるライターさんは結構いますがおすすめはしません。言い換えれば「もっと良いライターが入ってきたときに単価を下げられる、あるいはクビにされる交渉をされるかもしれない」諸刃の剣だからです。
良い方法を書きます。
①これまでの実績をアピールする
自分のメディアに貢献した実績をアピールしましょう。
このとき、具体的な情報が出せるといいです。「その分野で執筆に必要な資格を持っている」「月に〇本執筆していますが、単価が半年前から変わっておらず、そろそろ単価アップを検討して欲しいです」などなど。
そのライターさんが抜けると新たにライターさんを数人採用しなければならない、というような状況だと交渉は通しやすいです。
②作業の変化を伝える
などなど。これが1番上げやすいです。
実際にかかっている時間や、どこがどう難しくなっているのかを具体的に解説できれば説得力が増します。
③メディアが好調のタイミングで伝える
めちゃくちゃ大事なことですが、メディアが不振ならどんな交渉材料を用いても単価が上がる可能性は低いです。
メディアの運営元の会社の業績を見ておくと良いでしょう……といいたいところですが、会社の業績が良くてもメディア制作に予算が回っていない可能性もあります。メディアの予算が増えた段階で交渉してみるのが吉です。
メディアの予算増加を見分ける方法としては
などのタイミングでしょうか。1番良いのは、メディアの担当者と仲良くなって、そういう話ができるようになっておくことです。
まとめ
ライターさんの単価を上げる編集者側の理由は
そのライターさんにいなくなって欲しくないから
というのが要因としては大きいです。ですので、基本に立ち返るようですが、そのメディアさんにとって失ってはならないと思わせるライターになることが、重要ではないかと思います。
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