最適解が出たら即終了 酔い日記 2022/4/17
人間は常に選択を迫られる生き物だ。
ある研究によると、人は最大で1日に35000回の決断をしているらしい。
無数の選択肢から日々何が最適かを考えて、あるいは無意識のうちにさまざまな決断を下す。
恵まれた時代に生まれたおかげで、選択肢の幅はとても広く、そしてその質は高い。
とても幸福だと感じる一方で、どこか違和感も感じる。
違和感というよりも、不快感に近い。
選択を迫られることに、決断を下すことに、ストレスを感じるのだ。
つまり何が言いたいかと言うと。
毎食何を食べるのか考えるのめんどくさ〜ぁい
ということだ。
夜ご飯だけでも年間365回の選択。
もちろん、「今日はこれ食べたい!」「あの店行こう!」と即断即決の日もある。むしろこっちの方が多いんじゃないかしら。
それでもたまに、何にも考えられない日がある。
なぁんにも。
おなかはすいた
おいしいものが食べたい
だけど何を食べたら良いか分からない
そんな日がごくたまに訪れる。
そういう時、私はその判断を人に委ねる。
平日であれば隣の席の同僚に、
「今日何食べる?」
とご飯に誘うのと同じテンションで聞く。
これはとても有効な手段で、決断を下すというストレスがなくなる上に、自分の選択肢にはない提案をもらえることで平凡な日常にささやかな刺激を与えることができる。
夕飯の献立に悩む人にはおすすめしたい。
しかしこれは諸刃の剣。
隣人が食に興味のない人間だった場合、その提案は時として暴力になる。
現在私の隣の席に座る彼は、食に興味がなく、家に帰ったらゲームすることしか考えていない無頼漢だ。
そんな彼に、試しに上の質問をしてみたら、返ってきた答えはのりだった。
のり。
「夕食の参考にしたいから、今日の夜食べたいもの教えて」
「海苔ですかね」
のり。
私は隣人に夕食の決断を委ねることを諦めた。
かわりに、Twitterのタイムラインで最初に見た食べ物を選ぶことにしてみた。
私の持つ飲酒専用アカウントでは、酒と食にこだわりのある人々の晩酌で活気に満ちている。
最低でも海苔以上のものは期待できる。
タイムラインを開く。
一番最初に目に飛び込んだものは…
そば。