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Blenderで毎日モデリングして640日目のふりかえり

Blenderで3Dモデリングを始めたのが2023年4月1日でした。2024年12月末で640日経過するようです。せっかくなので2024年のふりかえりnoteを書いてみたいと思います。

※ 1年と9ヶ月の継続

毎日、少しだけでもBlenderをさわってみる

Blenderによる3DCG制作は主にプライベートな活動なので、平日夜の2時間、休日は3時間くらいが1年間でならした作業時間だったと思います。本業が忙して3Dモデリングする余裕がない日でも、Blenderを起動するだけはして、習慣として途絶えさせないようにしていました。

幸いなことに業務で3Dモデル制作に関わる機会もあったので、制作が佳境になったシーズンは平日夜に4-5時間、土日はまるまる制作していた時期もありました。

その他、Blenderでの3Dモデリングがすでに完成している場合は、UnityやSubstance Painterでの作業が中心の日もありました。また、プライベートな事情でBlenderをはじめとした個人制作に取り組めない時期もありました。

緩急あれど、技術的にも生活的にも挫折することなく、Blenderを継続した1年にできたので良かったです。

「何を作っても未完のまま終わる」こと対策

オリジナル作品の制作に取り組む中で、作業が思うように進まなかったり、コンセプトが固まらずにモチベーションが低下することがありました。

GreacePencilでセルルックアニメつくろうと思って未完になったり
茶室を作ろうとして茶器を作ったあたりで未完になったり

未完が続くと、完成させる自信が失われてモチベーションが低下しがちです。自分は下記の方法を試してみました

  • チュートリアルの完成画像を参考に、あえてチュートリアルを見ずに作品を作る (チュートリアルの制作過程と比較すると答え合わせ的で学びあり)

  • Blenderのマスコット スザンヌを使い、何か1つか2つのシェーダーやGeometry Nodesを試してみる (機能を知ることがゴールになる) 

  • 技術書を読みながら小規模のハンズオン作品を作ってみる

「創作のための想像力」を必要としない短期的なゴールを設けると、それをクリアすれことでアウトプットの量が増えました。同時に、単調で短期的な制作過程に飽きてくるので、次第に「創作したい」という気持ちが自然と湧き上がるようになり、オリジナルの作品制作を再開できるようになりました。

無理に毎日作品を作ろうとせず、気持ちが乗るまで別のアプローチを試してみることが良さそうな気がしました。

※ Geometry Nodesで光る蝶を作ってみたり

特に、Geometry NodesはBlenderの中でも先進的な機能のため、未知数なところもあり、創作というより探究心のほうが求められる気がしました。そのため、技術書やBlenderの仕様書を見ながらノードの特性を調べるだけでも楽しかったです。

今年もBlenderを毎日さわってみた結果

この1年で、特別ハイクオリティな3Dモデルを作れるようになったわけではありませんでした。また、精巧な人体モデリングができるようになったわけでもありませんでした。

その一方、以下のような役立つスキルを身につけることができました。

  • 軽量な3Dモデリング:UnityやXcodeなどの開発環境へインポートする事を前提とした3Dモデリングのポイント

  • テクスチャベイク:表現したいことに対して、Blenderでシェーダーを組んでテクスチャベイクするか、Substance Painterでテクスチャ制作するか、もしくはUnityのShaderで解決するかなどの選択肢が広がった

  • 解決方法の切り分け:ある課題やリクエストに対して、Blender / Unity / Xcodeなど、どのツールで解決するのが良いかの切り分け。または他の人にタスクを依頼すべきか、金銭投資してソフトウェア資産の導入で解決すべきかの判断

具体的には、UnityやXcodeを使った、Apple Vision ProやiPad、iPhone向けの空間コンピューティングやXR向けの3Dモデルを制作にあたっって、Blenderでどんな点を気をつけて制作すれば良いのかが身についた気がします。

アウトプットが増えた

2024年の春くらいに技術勉強会で「いつもひとりで3Dモデリングしているので、今年はメンバーとコラボしたい!」と発表したことがきっかけで、声をかけてもらったり、自分から勇気をもって声をかけたりする機会が増えました。

※ 勉強会でLTした時のスライドの1枚

機会に恵まれて、技術評論社から「Apple Vision Proアプリ開発ガイド」という技術書を共著で出版しました。この書籍では表紙デザインの3DモデリングをBlenderで担当しました。Blenderを用いて書籍のコンセプトに合ったデザインを形にする過程は、とても貴重な経験でした。

また、Apple Vision Proを活用した企業案件にBlenderで貢献できたことは貴重な体験でした。

※ 下記は一緒に制作したエンジニアのみなさんが書いた記事です

2025年にやりたいこと

2024年のApple Vision Proの発売を皮切りに、空間コンピューティングの可能性が社会に広がったりしました。2025年は更に新しいxRデバイスや空間コンピューティング技術を活用した事例が増えると思いますので、個人的にもいろいろチャレンジできたらと思います。

2024年はBlenderをベースにしつつ、UnityやXcodeやAWSなど対応できる技術領域が増えた1年になりました。2025年も「少しずつでもBlenderに触れる」を大切に、無理なくBlenderを続けていけたらと思います。

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