カカクコム「食べログ」VS韓流村「Kollabo」のアルゴリズム裁判がもたらす破滅的なもの
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表題の通り、カカクコム社の運営する「食べログ」で、不当な評点をつけられて客が減ったとして賠償訴訟に打って出た韓流村社の飲食チェーン「Kollabo」に関してなのですが。
朝日新聞にこんな記事が出ました。記者の田中恭太さんが割と平等に論点をまとめて書いているので本来であれば「ほーん」で終わるところなのですが、いま双方控訴となっているこの問題、結構ネットサービスの法的問題について芯を喰った話になっており、まだあんまりちゃんとした解説が為されていない面もあるため、私の個人的見解も踏まえて記事を書きたいと思いました。
なお、本件の東京地裁判決では、事実認定も含めて争点となっている食べログ側の重要なアルゴリズムに関しては慎重に伏せられています。さすがにこれだけだと何で地裁はこういう認定をしたのというのが良く分からないため、カカクコムに連絡を入れて取材依頼をしたのですが、取材で回答できることはないと塩対応をされまして。
おそらくは、カカクコムの商売の根幹に関わる評点・表示アルゴリズムにまつわる部分であるし、また、それが開示されればそれの隙をついて有利な評点の出し方をするハッキングが横行して使い物にならなくなるリスクを考えてのことだろうとは思うのですが…。
裁判の結果は報道されております通り、地裁は韓流村の主張を認め、3,840万円の支払いという判決となっております。
韓流村の主張とは、食べログにおいてユーザーからの評価などが元になっている評点について、韓流村「Kollabo」などのチェーン店に対し不利なアルゴリズムが働いており、これにより、不当に低い点を付けられたうえでこれらは不公正な取引方法および優越的地位の濫用によるものであって独占禁止法による違反行為であるので損害分約6億4,000万円を支払えとしたものです。
ここでまず問題となるのは独占禁止法上の第2条9項5号ハの該当性です。地裁では、このあたりが丹念に事実認定されていました。
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神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント