鷹村アオイさんの「パーソナルスタイル診断」を受けてきたんだ。
鷹村アオイさんに会ってきた。
漫画『ブラック・ラグーン』のロベルタ・チスネロスのコスプレ写真で存じ上げてから2年ぐらい経つ。
Twitterで「パーソナルスタイル診断」をお仕事にされていると知り、ついに行ってきた。自分用の覚え書きです。(メモ一切なしの記憶書き起こしです)
行く前の自分に言いたいのは「行くと決断してくれて、ありがとう」です。
そのくらい、楽しかった。センス=重ねて磨かれた経験だなと思った。
0.診断を受けようと思った理由ときっかけ
ネイルのカラーさえ決められない自分
服なんて白と黒そろえておけばいいんだよ。あとは、好きな色。
深〜い緑と赤が少しあればいいのよ。こんな感じでファッションを楽しむことも勉強したこともなかった。
ここ2年で『Twisted Wonderland』というディズニーのゲームにハマった。
リトルマーメイドにインスパイアされたキャラたちが最推しになって、たまたま興味を持ったジェルネイルをしようとお店に行った時のこと。
「どんな色がお好きですか?どんなイメージにしましょうか?」
300色もあるジェルから、これという色が決められなかった。どの色を主役にしたいのかさえうまく伝えられなかった。
白・黒・濃緑・紅色は、どう考えても「推しの色」ではなく、推しをイメージする色はざっと見ても40色くらいあった。
色選びに途方もない時間を費やす。
ネイルの色さえ決められないので、当然、服選びも同じ有様。
ふつうなら、中・高生時代に悩みながら積み重ねる「色・デザイン選び」の経験がない。
ないなら買うしかない。30歳も過ぎれば、んな事に時間費やせない。
書きたい本も、遊びたいゲームも、行きたい場所だってあるんだから。
経験は買えないが、ざっくりした知識とおおざっぱな「型」は買える。
パーソナルジムに通い「体の叩き直し方」を学んだ。それをそのまま「スタイル」にも適用したというわけだ。
ヴィル・シェーンハイトが背中を押した
そもそも美容・ファッションに興味を持ったきっかけは、👆のゲームに登場する世界的モデルの「ヴィル・シェーンハイト」である。
恐ろしく美しい男子高校生で、周囲の生徒にも美容を押しつけるシーンが出てくるのだが、そんな彼も「美容はめんどう」と口にする。
「面倒でもいいんだ」と私の美容への価値観が崩れた。
どことなく美容やファッションは趣味やこだわりであり、好きでやってる人は「思い通りにならなくて辛い」と思うことはあれど、「めんどうくさい」なんて思わないと思っていた。
「ああ、自分と一緒なんだな」と彼の発言に少し安堵して、がくっと美容への敷居が下がった。それが、かねてより「どうやって作り上げるんだろう」と気になっていたジェルネイルへの入り口になった。
そして、それが色・スタイル選びへ繋がったというわけだ。
鷹村アオイさんに決めたのは、完全に「二次元(推し)への憧れに理解があるだろう」と信じていたから。唯一の理由であり、絶対の基準である。
美容関係のサービス・店舗の選定基準は全てこれで統一している。
真っ先に雑談で「推しの話」を差し挟み、担当さんの反応で全て決める。「めんどう」への対価として「わくわく!楽しい!」くらいほしいのだ。
だって、私が生きるのに美容は必要ないんだもの。楽しくなきゃ払い損よ。
1.鷹村さんの診断基準を学ぶ
PCCSトーンマップを学ぶ
まずは座学である。
鷹村さんが「何を基準にこれからのアドバイスをするのか」について説明してくださった。年季の入った教科書を一緒に見る。
鷹村さんのスタイル診断では、このPCCSトーンマップを基準に会話が進んでいくことになる。
真剣に聞かねば、以降のアドバイスの根拠がわからなくなる。
もちろん、尋ねれば都度答えてくださるが、「どうしてですか?」と問うのではなく、マップを元にした推測で「〜〜だからですか?」と自分で質問できれば、それが正解かどうかも合わせてわかる。
ここからの3時間は自分の脳みそと価値観の筋トレ。受け身では勿体ない。この診断の価格は4万円を超えるのだから、こっちも本気だ。
4SeasonパレットはPCCSトーンのどこに当てはまるか?
PCCSトーンマップのカラーを4Seasonに分けるとこうだ。
PCCSトーンの円環の一つが、四季に分かれて配置されているものもある。
パレットを印刷して四つ切りにし、明度・彩度の似たものを隣に持ってくればよくわかる。鷹村さんも実際にそうして見せてくれた。
つまり、「Winterだから冬パレットに乗ってるカラーしか使えない!」と悲観する必要はないということ。
最終的に1stがWinterとなった私は、「PCCSトーンの端っこ」が似合う。
ビビット・ペール・ディープ・ダーク・ダークグレイッシュの円環である。
2ndにAutumnを持つので、ダル・グレイッシュもいける。
が、全部が似合うとは限らない。
このあとの「ドレープ(色布)当て」で試着の大切さを痛感するのである。
1.5 鷹村さんに観察される
座学の段階ですでに鷹村さんの観察は始まっていた。
びっくりした。知らぬ間に。
「手のひらに対して、指が長い気がします」とどうやら骨格に当たりをつけている様子。
「髪は染めていますね? ブリーチして、根元にその黒で戻ってくるのは髪が強いですね」と、これだけでAutumn要素ありかも、と推測できるらしい。
型に当てはめていく分析作業もそうだが、何故いまこの服装をしているのか、診断を受けるきっかけや持ち物、私の好きな物・こと等々もきっと見ていらっしゃっただろう。
「その方のイメージ、雰囲気も込みで『似合う』を提案しています」ということなので、隠す必要はない。なりたい姿や未来の予定が決まっているなら言っちゃった方がぐっと的確なアドバイスに近づくはず。
2.Beforeの姿を撮影する
今回のスタイルは、PCCSトーンマップでいえば、ペールとライトの中間彩度のブルー。くすみ系の水色のパンツスタイルのセットアップ。
ラウンドのピンクゴールドの眼鏡。
オークルのファンデに、ほんのりオレンジのリップ。
水色が推しをイメージしたチョイスであることを除けば、
私の趣味でも何でも無い!仕事の為に用意したもんだ!
そして、この組み合わせは診断的にも「ワースト」レベルの相性である。
3.肌の色を診断する
女優ミラーの前に着席する。鏡の周りを電球が煌々と取り巻いている。
瞳にめっちゃ綺麗なハイライト入ってる。少女漫画かよ。
鷹村さんの手によりメイクが全部落とされます。
全部落とされるのですが、ふだんのメイクというのは、これまでの「なりたい姿の模索の足跡」だと私は思うので、「化粧もったいないから薄付きでいいや」とかはしない方が良い。
似合うファンデは肌に溶け込む
ファンデーションが2種類用意される。
一瞬、違いがわからなかったが、片方は黄みがない、もう片方はよく見る黄色みのあるファンデだ。
診断するまでもなく、ここは「イエベ向け」だと思った。ずっと、オークルだろうと言われてきたからだ。ドラッグストアやデパコスでも、オススメされるのは基本的に「オークル系」だった。
綿棒で2色を頬に置いて、鷹村さんがなじませてくれる。
ブルベの姿が消えた。イエベは肌に塗りつぶした輪郭を残している。
「ブルベですね」
似合うファンデーションとは、肌に溶け込むのだそうだ。
色が浮いたり、塗りの輪郭が見えるとジャストではないのだろう。
ファンデなんて星の数ほど種類がある中で、するりと溶け込むファンデを用意できるあたり、既に鷹村さんの観察眼が発揮されているのである。
震えるわ。
私の場合は、オークル系よりはピンク系をチョイスすると良いというアドバイスだった。
4.ドレープ(色布)でイメージの方針を決める
見る目を養う2時間の始まり
すっぴん状態で4Seasonごとのドレープ(色布)を顔に当てていく。
赤にもSpring・Summer・Autumn・Winterに分類される色があり、それを鎖骨の辺りに当ててもらい、鷹村さんと一緒に顔色を見る。
鷹村さんと「一緒に」「顔色を見る」のだ。
診断してもらって、答えをもらって実践するのではない。
「アパレル行って、鏡の前で服を当てたときに似合うかどうか判断する」
このための練習である。少なくとも私はそう思った。
なぜなら、店舗でわざわざ服に顔面似合わせた事などないのである。
試着もしない。そのデザインか色が好みかどうかだ。
PCCSトーンマップを使った鷹村アオイの判断基準を真似る。
判断基準の筋トレだ。約2時間がここに費やされることになる。
ドレープはレフ板
「似合わないカラーは、顔にドレープの色が出ます」
鷹村さんの説明を受け、次々とドレープがめくり落とされていく。
どういうことかと言えば、黄色の4Season=布4枚を重ねて、子供のテーブルナプキンのように首の下にあてがってもらう。それを鷹村さんがパッ、パッと一枚ずつ下に落としていく。布が鳴るほど素早い切り替えだ。
顎下や顔に出ている影の色を見ている、と教えていただいた。
言われて初めて気がついたが、布が切り替わる度に影の色が変化していた。
似合わない色は、影が布の色に染まる。
似合う色は、影の明るさが変化するのみで、ほぼ色は付かない。
「ドレープはレフ板なんですね」と言えば、正解だった。
つまり、服でも同じ現象が起きている。
鏡の前で、服を当てている女子が何をしているのか初めて理解した。
ファッションフロアの照明が明るいのは、単なる空間演出ではなく、きちんと布に光を当てて、顔色に反映させるためでもあるのだろう。
4〜5色見れば、「これは似合わない」という色が鷹村さんの反応を見る前にわかってくる。もちろん、「これはダメでは?」と判断したものの「まだ似合う範囲です」と言われるカラーもあった。
私の人生にピンクなんて存在しなかった。これからも。
「Winter強め。Autumnも十分にあり」とパーソナルカラーが絞れてきた。
自分の人生には縁が無いと思っていたWinterが、まさかの第一候補。
そして、鷹村さんから「ピンクは似合わない傾向の色」と診断が下る。
元から縁もない色なので、さして惜しくもなかったが、発見だった。
4Seasonパレットを見れば、色数は少ないがWinterにもピンクが2色ある。
そう、自分のカラーパレット内にも『似合わない色』は存在する。
「OK。私の人生にピンクは存在しない」
ピンクはね、2次元の美人たちの髪色で十分なんだよッ。
5.似合うメイクを施してもらう
眉はっきり、唇にバーガンディチェリー
化粧品がどんどん並んでいく。ドラッグストアでは殆ど見かけないカラーのブルベ向けのアイシャドウ。これだけで4種類提示された。
化粧初心者なので、シンプルに白・黒の2色をお願いした。
眉は髪色に似合わせてダークの円環からチョイス。太めにキリッと上向き。
「私、眉頭から眉尻に掛けてと頬骨の角度が平行になっているのが一番好きです」等々、自分の好きな顔にかこつけて推しの話をしたり。
そして、唇にはバーガンディのレッド。ワインのような赤が乗った。
強え女の誕生である。絶対、こいつに道を尋ねたくない。
しかし、そんな女が好みでもある。芸能人だと「夏木マリ」タイプだ。
夏木マリといえば、『プラダを着た悪魔』でメリル・ストリープ演じる女編集長の声優を務め、メリルはよく『101』のクルエラ役に間違われている気がするが、クルエラ・ド・ヴィルは私が幼稚園児だった頃からなりたかった女のイメージそのもの。みんな繋がっている。
要は、強い女になりたい私は、客観的に見ても「強い女」が似合う。
めちゃめちゃラッキーじゃん。
あと必要なのは、自分の好きなように好きな事をする勇気と財力だけだ。
6.4seasonのドレープ(色布)で似合い度をチェック
再び4Seasonのドレープを当てる。
私の着眼点は変わらず「影色にドレープの色が反映されるかどうか」。
メイクをスタイルに寄せたことによって、似合わない色相環がより明確に排除されていく。
ここで、パーソナルカラーが確定した。
1stにWinter。2ndにAutumn。
PCCSトーンマップで言えば、明度の下半分の5つが私の色だ。
これにビビットとペールが診断的に加わるが、
鷹村さんの見立てにより、ペールの色相環はやや除外気味になる。
似合わなくはない。
しかし、ディープ〜ダークグレイッシュに掛けての暗清色がより似合うと言う意味で。
7.17スタイル別のドレープで似合い度をチェック
別のドレープがずらりとテーブルに並ぶ。
17スタイル別のドレープだ。赤・青・白・黒・紫etc.たくさんの色が含まれている。これも順に当てていく。
私のカラーパレットは決まった。1stにWinter。2ndにAutumn。
「レザージャケットは外せませんね。しかも、ダブルの本格的なもの」
この辺からは、何を見ているのか少しついて行けなかった。
しかし、私の好きな物やメイク・カラーパレットのイメージを組み合わせて「似合う」を模索してくださっている感覚がたっぷりと伝わってくる。
お互いにファッションサイトを見せ合ったり、ブランド名や有名人の名前、二次元キャラを引き合いに出して方向性を探っていく。
武器のような服を纏え
そこで、おもむろに鷹村さんから一言。
「『ベヨネッタ3』に出てくる、ヴィオラのイメージです」
ヴィオラとは、『ベヨネッタ3』に登場するプレイアブルキャラクターだ。
↓の公式トレーラー2ndの1:36あたりから登場する。
https://www.nintendo.co.jp/bayonetta/
棘のスタッズがついた漆黒のレザージャケット、白いマニッシュな雰囲気の厚そうな手触りのシャツにレザーブーツ。ヘアスタイルは刈り上げベリーショートを右目の真上でばっつり分けて後ろに流して固めている。しかも銀髪に青メッシュで、刈り上げに至っては淡いパープル。口紅は光沢のある青。
まぁ、動画を見てくれ。見た方が早い。
彼女は17スタイルのひとつ、COOL&MODEをほぼ網羅している。
「これ似合いますよ」
クールモード系の私の場合、キーワードは「ワイルド」「悪い女」だ。
自分なりに解釈すればだが、小悪魔的なずる賢い悪女ではなく、
気に入らねぇ奴は、ハーレーダビッドソンで轢き殺すタイプの悪い女だ。
必要なのは「武器のような衣装」であり、確かにヴィオラの装いは背中に担いだ大刀と配色までそっくりである。もはや、彼女自身が武器。
でけぇグラサンがあるとなおかっこいい。
「これくらい個性を出した方が輝けます。でも、服だけライダースだと顏が負けちゃうから、顔も服に負けないくらい強く」
「服を選ぶときのポイントは、『悪い女感』と『サングラスが似合うかどうか』と覚えておきましょう」
どう考えても夏木マリじゃん。。。
パーソナルスタイルは、COOL&MODEに決まった。
柄物は大きく、コントラスト高めで
正直、柄物には縁が無いと思っていた。
ルミネではちりちりした花柄がいつまで経っても流行していて、ようやく終わったようなところがあり、縮れや編み目が目に付く気がする。
ところが、「大きな柄、コントラストの高い柄」はOKだという。
一枚なら目を引くデザイン。重ねるならいくつも。
顔周りの印象にインパクトを持たせる。
これが、私にとっての「似合う」である。
似合うカラーのシャツも、無地で単調なデザインはもったいない。
出来れば上着やアクセサリーを重ねること、一枚が良ければ、その一枚のデザインや柄をうんとアクセントを効かせたものにすること。
「流行は追わなくて良いです」
自分の好きな方へ、個性を出す方へ振り切るスタイルを。
ルミネ・マルイあたりの服は「誰が着てもそれなりに似合う服」が多いので、インポートに目を向けるのもアリ。
ファストファッションなら、UNIQLOよりも断然ZARAとかMOUSSY系統。
お値段は張るけれど、MaxMaraやTheory、Y'sなど。
素材は天然物のイメージで
ぺらぺらの生地感は似合わない、ということで、鷹村さんからは厚みと重厚感のある生地を選ぶのがベストとアドバイス。
毛皮などの天然素材も得意。これは後ろに緑の植物を背負ってる感じだったと思う。織り目の詰まった素材は似合う。
反対にパフスリーブに使われるような軽やかな素材は、今のところ避けておく方が良いとアドバイスをいただく。
結構、最初から最後まで「レザー着て欲しい!レザー!本革で!」と押しに押されたので、良い物を友人に見繕ってもらえるように頼もうと決意。
8.参考用の写真を撮影する
もう後は写真撮られるだけ。
似合うドレープ(色布)を顔周りに虹のように並べる。
この写真たちは鷹村さんのTwitterでご覧いただけます。
9.骨格を診断される
骨格診断は意外にも最後。
私は、体の断面図が円筒形になる「ストレート」タイプ。
体のラインにピタリと沿う服が得意。
しかし、服をどう着るかよりもカラーやデザイン、素材の風合いの方を重視すること。素材がわからなくなっても、カラーをビビット〜暗清色に抑えることを一歩目のステップにすることに。
「菜々緖さんも骨格はふんわり広がるデザインの似合うウェーブだけど、彼女が着ているのはストレートタイプに似合うはずのタイトなデザイン。カラーや素材感を優先している」というような話をした記憶がある。
今度は服を買いに行こう
東京へ戻るともう19時だった。
近くのビルに飛び込んで、全階の全ショップを闊歩してきて、頭の中に入っているPCCSトーンマップの「似合う」カラーを全部みた。
90分かかった。
今までは一日いても全然回れなくて、決められなくて、店員さんに捕まっているだけだったのに。
今日は見るだけ、と割り切っていたかもしれないが。
帰りにファンデーションとアイシャドウ、リップを買い換えに。
手に出してみたこともなかったピンクオークルなどを中心にテスト。
ファンデーションとリップはKATEで。
リップの時に話題に出た「リップモンスター」の12番が、幸いにも在庫が1つ残っていたのでお買い上げ。
アイシャドウもKATEで揃えたかったが、調べていた物の入荷がなかった。
別のドラッグストアで偶然、ちふれの「グレー」を見つけた。
色づきも悪くないし、保たなくてもいい。練習用だから。
次は、服を買いに行こう。
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