〈プロレスの絵本〉第1話「史上最強のチャンピオン」ディック・モーガン談
私はチャンピオンである。
チャンピオンは常に完璧でなくてはならない。
心、技、体、全てにおいて頂点を極めるもののみが、この栄光のベルトを腰に巻く資格を持つのだ。
よって私が最強であり、
私すなわちプロレスである。
チャンピオンである私は、
誰の挑戦も受けそして勝たねばならない。
なぜなら、
プロレスこそが最強であり、
私の敗北は、プロレスの敗北だからだ。
人はいつか老いるものであり、
私とてその例外ではない。
その時が来たら、私は潔く
プロレスの名を継ぐに相応しいものに