【プロレスの絵本】第4話 トレーニングの鬼、腕立て中
レスラーの一番の仕事といやぁ体鍛えることよ。
たとえばこの腕立て。
腕を支えに体を上下さすなんてなあ回数が足りねえ。
やってるうちに床の方がだんだんてめえに迫ってくる。
それを無理矢理向こうへ押し返す。
何度寄ってこようがとにかく押し返す。
そのうちどうにも体が言うこと聞かなくなってくる。
けどそこで負けちゃあ、しめえよ。
そこから先はただ「てめえは床に反発する磁石だ」とでも思って、
こんな風に押し返す、押し返す、押し返す……
こうやって鍛えた体だけ持って、みんな裸でリング