ジュエリーをアートする。
KIRIEBIJOUのジュエリーに使われている金箔は、ほぼ全てがK24で、純金の輝きでありながら、とても軽いのが特徴です。
K24ジュエリーは、貴金属としては柔らかすぎで滅多になくて、稀に日本であったとしても、なぜかそのままだと派手すぎるから、という理由で、色を少し変えてしまうことが多いそうなのです。
でも、本来純金の輝きは、柔らかみがあってとても暖かく、特に箔のくしゅくしゅ感が加わると、アンティーク風になり、とても落ち着いた品のある輝きを放ちます。
左は、クレオパトラに着けてもらえたらなーと考えながら作りました。右下は、木がモチーフで、結構人気。一点ものが多く、一つ一つがアートになっているので、ジュエリーという、とても身近なところに、ささやかなアートを感じていただくことが出来ます。
「アーティストにとって、ジュエリーはビジョンを広げるためのもう一つの方法」
ミラノでジュエリー制作会社を経営する、ジャンカルロ・モンテベッロの言葉です。パリのアートコレクター、ディアーヌ・ヴェネは、芸術家が作ったジュエリーしか身につけないのだそうです。ジャンカルロ・モンテベッロは、そんな彼女が認める人物。
その言葉に、はっとしました。
ここ数年、百貨店でのジュエリー展開をしているのですが、私は、そこにあまり自分の我を出しすぎてはならない、と、商品としてのジュエリーを手にする人にとって、製作者の世界観が介入しすぎないように気を付けていました。
でも、箔や漆等を扱うようになってから、それは違う、と思うようになり、コロナ禍での自粛期間中久々に作品創作に没頭することで、やっぱり、世界観あってのジュエリーなんだ、伝統を織り交ぜつつ、その全部をひっくるめて芸術であり、豊かかなライフスタイルに通じていくんだ、ということを、もっと伝えたい!と思うようになりました。
ジュエリーをあれこれ素材を吟味しながら、純金の本物の輝きに触れていくうちに、いろいろなことに気づかされました。商品をアートするか、デザインするか、結構大きな違いです。アーティストやデザイナー等のクリエイターにとっても、永遠の課題のようにも思えます。
自粛期間でポッカリと時間が空いて、思いがけず創作にかける時間ができたことで、つい忘れてしまいがちな原点を、思い出した時のお話しです。