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私というオタクとジェンダー

※赤裸々というか、明け透けというか、そんな感じです。軽度の毒親・性欲などの話を含みます。


弟への告白

私が、Xジェンダーだと自認するようになったのは、今年(2020年)のことだ。

Xジェンダーにも色々種類があるが、私は、男である時もあり、女である時もある、不定性というものである。肉体は、女だ。

そして、私は非性愛者でもある。恋愛はするが、その先に性愛はない。だが、二次元になると、話は別だ。私は、キャラクターには性欲を抱くことがある。

非性愛者のFtX。恋愛対象は全性別、つまり、パンセクシュアル。それが、私。

しかし、それを家族に言ったことはなかった。言えなかった。

父母は古い人間で、LGBTQに偏見を持っている。特に、母の方は顕著だ。ある宗教にどっぷり浸かっている母は、シスへテロ以外を異常者だと強く思っている節がある。きっと、両親には一生話さないだろうな、と思う。

けれど私には、もうひとり家族がいる。

弟である。弟はLGBTQに偏見を抱いていないし、私は弟の前だけでは素の一人称である「俺」にすることが出来た。

弟になら、言えるかもしれない。受け入れてくれるかもしれない。私は、そんな期待をした。

そして、2020年10月、この話をした数日後のことである。私は、弟に告白することにした。

「俺、女じゃないかもしれん」

「へー」

「伊達や酔狂で言ってるんじゃないよ? 私もう(二次元の年長キャラより上の年齢)よ? 若気の至りでもないよ?」

「それで?」

「俺、Xジェンダーってやつかもしれん。Xジェンダーにも色々あるんだけど、男である時もあり、女である時もある、不定性ってやつだと思う」

「俺には判断出来ないから、医者に行くとかした方がいいんじゃないの?」

「あー、ジェンダークリニックとか? いや、でもわりとハッキリとした自認があるからなぁ。わざわざクリニックへ行かなくてもいいかなって」

「ふーん」

「まあ、俺がXジェンダーだからって弟に対する何かが変わる訳じゃないけど、とにかく、俺はXジェンダーだから、よろしく」

別に、姉がスライムだろうとドラゴンだろうと、関係ねぇよ

その言葉が、私は心底嬉しかった。弟は、親族の中でも、やはり私の一番の理解者だ。

本当に嬉しかった。

「でもそれ、母親には絶対に言わない方がいいよ。あの人は、クソみたいな偏見がある上に、宗教上の理由でそういうの嫌ってるから」

「俺も、そう思ってる。死んでも言わない」

「それがいいよ」

性別違和の始まり

私が3歳の頃のことだ。母の前で、なんとなく「俺」と言ったことがある。私は、とても怒られた。その時の記憶は、もう薄れてきているが、今でも思い返すと嫌な気分になる。

そして、時が経ち、初潮を迎えた頃。私は、いよいよ自分の女の体が嫌いになった。

私は性同一性障害なのではないか? と真剣に悩んだ。

二次元の女キャラクターに性的なことをする夢を見ることもあれば、現実の男子に恋をすることもあった。

私の性別ってなに?

小学生の私には、分からなかった。

今なら、言える。私の性別は、流動的だ。不定性だ。

女として女を好きになったこともあるし、男として男を好きになったこともある。

終わりに

私は幸いにも、ひとりの理解者を得られたけれど、世の中には誰にも言えない人もいるのだろう。

今は、みんなスマートフォンなどの端末で、インターネットに接続出来る時代だ。

独りで抱え込まずに、ネットで相談してみるというのも手かもしれない。小学生の頃の私には、スマホがなかった。だから、孤独だと思った。でも、それは違う。LGBTQや、Xジェンダーや非性愛者について検索すると、すぐに情報が閲覧出来る。だから、自分は独りきりだと思わないでほしい。

過去の私へ、私は救いの手を差しのべられるようになった。

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