紅の歴史 in 紅ミュージアム②
こんにちは。
今年最後の高尚の日は 南青山にある紅ミュージアムに行ってきました。
こちらの記事の続きです。
そもそも人がお化粧をする理由
考えたことなかったー!
高校生までは禁止で、大学に入るときに雑誌を見ながら母と共にドラッグストアで買って、社会人になるとそれがさも当然のように求められてお化粧をしてきたもので…。🙂
昨今ではおしゃれ(もしくはマナー)としてお化粧をすることが多いですが、お化粧という身体を飾る行為は世界中のいろんな文化で見られるようです。
今ではあまり見られなくなったようですが、
沖縄でも刺青を入れる風習があったようですね。
パプアニューギニアなどの民族が泥やいろんなもので全身をペイントして変身をしたり。
日本の伝統化粧といえば、お歯黒と白粉でしょうか。
日本のお化粧 赤・黒・白
赤は 口紅と頬べに
黒は お歯黒と眉墨
白は 白粉
赤は厄除けや吉祥とのことですが…。
白粉を習ったのは社会だったか、
どうして顔を真っ白にしてなんでなんだろう?
と思っていました。
「その時代を想像してみたらいいよ」
電灯がまだない時代。灯りは蝋燭のぼんやりとしたものだけだった。その薄暗い中で蝋燭に照らされた時に一番美しく見えるのが白粉だったそうです。白粉がシワを隠しクマを隠し、オレンジ色の行灯に照らされた女性の肌は、きっと美しかったことでしょう。
一緒にいったバレリーナのA子が教えてくれたことですが、なるほど!とびっくりしました。
今と環境が違うことを前提に想像しないといけなかったな、と。
きっと電灯が発明されるより昔は、もっと世界は暗かった。夜も長かった。
さらにびっくりなのが、お歯黒!
通過儀礼のようなもので、結婚を機に歯を黒くして、出産をすると眉毛を剃り落としていたようです。
眉化粧をできるのは出産前までの短い期間。
庶民はいろんな眉毛をして楽しんでいたそうで、今の女子高生の制服みたいなものでしょうか。
その短い期間だからこそオシャレマスターに憧れる子やインフルエンサーみたいな子もいたんじゃないかな、と想像しました。
青春時代のキラキラ感や無敵感というのは、今も昔も変わっていなかったらいいな。
周りから見ている大人はきっとキラキラ眩しかったんだろうな。
合理的なお歯黒
お歯黒は、濃ければ濃いほど良かったそうです。
黒い着物と同じように「何にも染まらない 貞操 」の既婚女性の象徴だったそうです。
歯を黒く〜〜??と思っていましたが…
お歯黒にちゃんとメリットがあったんだ!
衛生観念がすごい!
歯磨き粉は砂を精製したものを使っていたようです。(みがき砂)
文化・文政期には、香料を入れたものなど100種類以上の歯磨き粉が販売されていたということで、江戸時代から味付き歯磨き粉を使っていたことに驚き。
前にNPOの方とお話しした時に、発展途上国に歯磨きを教える活動をする方が歯磨きという行為を定着させるのにとても苦心されているということを聞きました。
ジャンクなお菓子が入ってくるようになったけれど、歯磨きをしないので虫歯で子どもの歯がボロボロになるだとか。
当たり前のように思っていた歯磨きですが、当たり前のように定着しているのは江戸時代からの流れがあったからかもしれませんね。
外国人から見た日本の化粧
ほー、いやいやいやボロクソ言うじゃないですか。
ボロクソに言われすぎてむしろ面白かったです。
でも、自分も自分が思っている姿とは全く異なる出で立ち、化粧をした人に出会ったときに、フラットに受け取れるだろうか、と思いました。
例えば、アフリカ民族のカラフルなお化粧・世界中にある民族タトゥー・中国の纒足・ミャンマーの首長族。
民族の歴史を経て生まれた文化を前にしたときに、文化的な背景を知りつつも、平静でいられるだろうか。
びっくりはするけども、お互いを尊重したいな。
そりゃびっくりはするだろうけどね。
自分のやる気スイッチ
毎日綺麗にお化粧をしていて、コスメを紹介してくれたり、ネットでよくポチっている同僚が本当に毎日素敵です。綺麗な目元にいつも羨望の眼差しを向けております。
自分の自由に化粧をする。
まさにお化粧は彼女のアイデンティティとなっています。お化粧が生まれた根っこは今もずっと繋がっています。
太古から続く人間の系流に思いを馳せました。
私もアイデンティティのためにお化粧をしてみたいな。素敵だな。
そんなこんなで、いろんなことに思いを馳せた紅ミュージアムでした。
帰りに表参道のイルミネーションも見ました。
クリスマスだ〜🎄
今年最後の高尚の日ですが、日本のお化粧の歴史にも触れてとてもいい日でした。
着飾っていきたい。
精進いたします。
切り絵作家 ひら子