見出し画像

オーストラリア旅行#14 ウルルサンセット

こんにちは。
4月下旬から5月上旬にかけて行った新婚旅行のオーストラリアについてまとめています。

今回は、ツアーで参加したウルルのサンセットについて。

今回利用したツアーはベルトラから予約をしたAATキングスの日本語ツアーです。以前参加した時は英語ツアーにしたのですが今回はきちんと内容も理解したいと思って日本語に。


絶対おすすめ!日本語ツアー

前までツアーは特に移動手段くらいにしか思っていなかったのですが(看板や解説読めば良くない?とか…)きちんと説明をしてもらえると目の前のものがただの建物や風景ではなくてきちんと把握できるし、何より看板やガイドブックの解説以上の圧倒的な知識をガイドさんから享受できるということに気がついてから、現地のツアーを積極的に使うようになりました。

特に、ウルル・カタジュタ国立公園は自分で移動手段を持っている人以外はツアーか送迎バス(有料)に参加をするしかないので何かに参加するのであれば日本語ツアーがおすすめです。

気温の高い(夜は冷え込む)ので飲み物を1ℓくらい用意するように案内されていたのでーパーでゲットしたお水を持っていざ、お迎えのバスに乗りました。
ハエよけネットも必須!ケチらない方がいい!
ハエが本当にすごいので、写真を撮るときだけささっとネットを外して撮るような感じでした。

ハエよけネットは耐えられずにすぐに買った
買ってよかった 5豪ドルくらいだった記憶

ウルルという場所について

ウルルという場所について、アボリジニについてガイドしていただけました。
ウルル=カタジュタ国立公園は、先住民アボリジ二のアナング族という方達が何万年も前からこの土地で生活をして文化を育んできた土地で、いまも現役で信仰の対象となっています。何万年もの時間をかけて継承されてきたジュクルパと呼ばれる法律・宗教・道徳的な規律に基づいて生活をしています。
遊牧民族のため、文字を持たない(荷物になるから)ので踊りや歌や地面に描く絵で次世代に受け継がれていく、世界最古の文化で現代にも生きている非常に貴重な文化です。
リビングカルチャーと呼ぶようです。日本の八百万の神様への信仰もそうなのかな?誇らしいですね。)
世界遺産になっているのは、「赤土の中に佇む大きな一枚岩」というだけでなく現在にも続く文化価値が評価されたからということのようです。

大きなウルルの周りを周りながら、ガイドさんがたくさん説明をしてくれました。

黒いすじは水が流れた跡

別のnoteにも書きましたが、日本の自然崇拝と共通するものを感じます。
▼9年前の滞在も含めて触れたウルルの記事

先入観。意外と草木も生えていて、水もある。

一度来たことがあるにも関わらず、やっぱりウルルといえば赤い砂漠の中にぽっこりと佇んでいる大きな赤い岩 という印象があったのですが、意外と緑もあるし水もあるんです。
なんなら、ウルルの中に小さな滝と泉があるくらい。
あまり雨が降るわけではないですが、雨が降った時にたっぷりと水を溜めてそれがウルルの上から降り注いでいるということのようです。
岩の上から水が落ちてくる、それが日上がることもなく滝になっている、というのがなんだか不思議でした。雨が止んだらすぐに干上がってしまいそうなものなのに。不思議です。

木まで生えてる

お水があるから過酷な環境であるウルルの周りに何万年も前からアナング族が暮らすことができたんでしょうね。そういう意味でもウルルは命を繋ぐ水の場所であり、大きな日陰であり、拠り所なのかなと思いました。

ウルルの日陰になっている部分には、過去から現在にかけてアナング族の方が残してきたアートを見ることもできます。
マークひとつ、ドット一つにきちんと意味があって彼らにとってはお手紙のような物のようです。

文字を持たない代わりにいろんな絵やマークに意味がある

過酷な環境で生きるということ と ジュクルパ

ガイドさんはアボリジニの方ともコミュニケーションをとりながら、どういう表現をすれば彼らの宗教観や文化を正しく伝えられるのかというのを日々模索しているようでした。
なので、ツアーで教えられることにも制限があり、彼らが伝えてもいいよ、といった物語しかお話しすることができないし、彼らが案内してもいいよ、といったところしか案内できません。(彼らの所有物なので)
ガイドさんがお話ししてくれるジュクルパ(アナング族に伝わる物語、決まりごとのようなもので過酷な環境できるためのヒントにもなっている)はどれも興味深かったです。

ここのあたりは毎日が自然災害です。
暑すぎる、寒すぎる、風が強すぎる、雨が降らなすぎる、雨が降りすぎる。
雨が降らなくていつか降るということを知っているからじっと待つんですよ。(そのいつかが1年後の可能性もある)

ガイドさん

どっしりと構えすぎている!すごい…!
電車の遅延で右往左往する日々はきっと信じられないでしょう。

わざわざ暑い時間にこうして歩いているのも不思議に思っていると思いますよ。
彼らは暑い時は陰で休んでいますから。

ガイドさん

自然崇拝なところが似ているな、と思ったのだけれど、根っこはやっぱり違うんだなと面白かったです。農耕民族と狩猟民族の違いでしょうか。
暑くても寒くてもきちんとお世話をする必要がある。
割ときっちりと几帳面な国民性は、稲作とお日様が育んでくれたものなのでしょうか。食への異常なこだわりのせいかもしれない(そんな日本が大好きだぜ)

名前を残さない 潔さをリスペクト

ガイドさんのお話の中で最も印象に残ったことでした。

アナング族は名前を残さないんです。

ガイドさん

名前を残すことに価値はなく、死んだらただ土に還るだけ。
それはあまりに過酷な自然環境によるものなのか、どうしてそういう文化になったのか。
大昔の役人の名前まできっちりと残っている日本とは異なる文化です。日本にとっては「名を残す」ということは大きな意味があったように思います。
途中で立ち寄った文化センターに描かれた綺麗なアボリジニアートも描いた人の名前が消されていました。
「これはこの人が亡くなったから名前を消しました。」
徹底的に名前を残さない。

例えば、自分の大切な人の写真や文字や残してくれたものを見て振り返って懐かしんだりはしないんだろうか。物体にこだわることなく、もっと精神的なところで偲ぶんだろうか。消された名前を見て、惜しくなったり寂しくならないのかな。
色々と疑問でしたが、ツアーの間では言葉がまとまらずガイドさんに深く聞いたりできませんでした。3回目の訪問の時に聞いてみたい。

近年では、名前や写真を残すようにする人もいるようです。ずっと続いてきた文化がいよいよ消滅してしまうかもしれないから、という理由のようです。文化を残すために本も出版されました。

やっぱり美しいサンセット!

9年ぶりの夕焼け。夫にとっては初めての夕焼け。

9年ぶりのウルルは相変わらず美しく、悠然と横たわる。きっと私が死ぬ時も変わらず横たわっているだろうな、という安心感があります。
ウルルにとってもアナング族にとってもずっと続いてきた日常の1頁ですが、私にとっては生涯忘れないであろう素敵なサンセットでした。
この場所に、夫と戻ってきた!感動!!
日が傾くと燃えるような色になって、空の色が何色にも変化して混ざり合って、徐々に徐々に変えながら夜になりました。

真っ赤に燃えるウルル
そして茶色に、そして真っ暗に

あっという間に日は沈んで、BBQつきプランの人たちと分かれて帰宅組を乗せたバスでリゾートに帰りました。
物への執着は手放せないのだけれど、潔良い価値観をどっぷりと反芻しながら帰路に着くのでした。

こんなに広大な土地で生きて、名前を残すことなく、土に帰るだけ。
なんて潔くて美しいんだろうと思いました。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集