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主訴が分からないという主訴に、間主観的なアプローチで関わる

カウンセリングの目的は様々です。

人前で緊張するのを治したい。など性格のこと。

同僚と折り合いが悪い。など対人関係のこと。

子どもが不登校なので何とかしたい。など不適応のこと。

親との関係がうまくいかないので何とかしたい。など家族のこと。

トラウマがあるかもしれないので治療したい。など病のこと。

様々な主訴があります。

「主訴と言われるとはっきり言葉にはできない。でも、なんとなくモヤモヤする」という悩みもあります。

言葉にできないモヤモヤをなんとかしたい。

モヤモヤが何か知りたい。

こういった、「主訴がよくわからないという主訴」がある方もいらっしゃいます。

その場合、心療内科や精神科ともちょっと違う気がするけど、他に相談場所が見当たらないということになりがちではないでしょうか。

きっと誰だって同じだろう。
自分の尻は自分で拭くしかないのだろう。
話したって意味がないのだろう。
考えたって仕方ないことなのだろう。

そう思うかもしれません。

そんなこと考えている暇があったら、目の前のことに集中しよう。
わがままなだけかもしれない。

そう思って、モヤモヤを断ち切って乗り切ることもあるでしょう。

わかるわかる。
解決にはこの教えを学びましょう。
神に祈りましょう。

様々な宗教の勧誘もあるかもしれません。


一人ではどうにも解決できない、家族や友人にも話しにくい。

そういう場合は、安心して話が出来るパーソナルな場が欲しいというニーズになってくるのだろうと思います。

そういったニーズを持ち込んでいただく場を整えております。

開業カウンセリングの特徴は、パーソナルな場だと言えます。

そこにはクライエントさんとカウンセラー以外誰もいません。

集団よりもあなたの訴えをじっくり、しっかり聞くことができると思います。

(集団指導の塾より、個別指導の塾の方が、個別のニーズに応えてもらいやすいのと似ている部分もあるかも)

また、他者の出入りのない密室でのカウンセリングになるため、話が漏れないかなどに気を遣うことはなくなります。

(個別指導塾でも、完全個室ではなく、ブースで仕切られているのみで、他のブースの音が聞こえる塾もあります)

一方、完全密室ですし、特に女性のクライエントさんは男性カウンセラーが怖いとか不安を感じられることもあるかもしれません。

男女に限らず「人と一対一になることが苦手だよ」という方もいらっしゃるでしょう。

その場合にはオンラインでの実施も検討しています。オンラインの距離感だと安心できる場合もあるように思います。

ただ、密室が苦手だったり不安のある方は、当ルームは避けていただく方が無難かとは思います。

密室や一対一がすごく嫌ではないという方に来ていただければと思います。

密室ゆえに、カウンセラーが手抜き出来てしまったり、自己流に陥るリスクがあるのではないか?変なことをされても揉み消されてしまうのではないか?そういう疑問や不安もあるでしょう。

心は目に見えにくいので、クライエントさんも見分けがつきにくいと思います。

そこは、カウンセリングに当たっての利用ルールをお互いに守るという「契約」があります。

カウンセリングは契約を重要視する取り組みです。

(日本は歴史的に契約社会ではないため、日本人のDNAには馴染みがない営みかもしれません)

また、カウンセラーはカウンセリングを糧に日々の生活を営んでいますので、カウンセラーとして、おかしなことをしたら食べていけなくなります。だから、人の道に外れたくはありません。と思っています。

これはクライエントさんにとってはもちろん、カウンセラーにとっても案外大事なセーフティーネットかもしれません。

(カウンセラーが生きていく糧を得る以外の目的でカウンセリングを行うと、ハラスメントなどの倫理違反や境界侵犯などのリスクは高まりやすいと考えます)


さて、「なんとなくモヤモヤ」、「なんとなく生きづらい」などの、見えにくいテーマについては、「どこに相談しても、断られてしまいそう」とか、「元気なのに行ってはいけないかな」など、ためらいがちになるかもしれません。

現実生活では特に不自由なく暮らしており、むしろ充実しているように周りに見られる方などでも、適応の良さの背景にある悩みというものもあります。

自分の尻は自分でふくしかないのだけども、ふけるようになるまではケアとトレーニングが必要です。

(忘れてしまっていますがトイレトレーニングをかつて私たちは誰もがしてきました。心も同じではないでしょうか。実年齢は上がって見た目は大人でも、心年齢はまだトイレトレーニング段階ということもあるのが心の不思議です。見た目と心は一致しません。)

「仕事も家庭も順調だけど、実は一人で抱えているモヤモヤがある」といった方がお忍びで通えるのも開業カウンセリングの特徴だと思います。

病院ならカルテなどで、医師以外のスタッフにも情報が伝わります。学校でも集団守秘義務という考えのもと教職員で情報共有が行われます。

誰にも知られたくない話を持ち込むには開業カウンセリングは適しているでしょう。(自傷他害に関わるケースは、秘密にしておけないという例外はあります)

当ルームでは「はっきり名前がつけられないけど、なんとなく生きづらい、なんとなく苦しい」

はっきりしなさを大切に扱っていくカウンセリングを行っています。

トラウマ、発達障害、人格障害、などと分類してしまう方が楽かもしれません。

でもそれによりこぼれ落ちる何かの方にも目を向けたいと思います。

名前をつけたとたんにすり抜けてしまうような悩みもあります。

手ですくい取ろうとすると逃げてしまう魚のようです。

すばしっこく、慎重で、臆病な魚のような悩みを捉えるのに、役立つアプローチがあります。

間主観的なアプローチと呼ばれるものです。これは、クライエントさんとカウンセラーの関わりの中で浮かんできたり、感じられる、言語化される前の体感に注意を向け、それを大切にするアプローチです。

主観と主観の間、二人の間の主観、に注目します。

恋人といると、胸があたたかく、落ち着く感じ。

怖い上司といると、体が固くなり、きゅっと胸が詰まる感じ。

友達といると気分があがりワクワク熱くなる感じ。

など、我々は相手によって、また相手との関係によって、その場での感じ方、主観は変化します。

恋人とけんかをしたときには、胸が苦しく息が吸えない感じ。

など、同じ相手でもシチュエーションにより、体感は変わります。

そこをすごく細かく丁寧に扱うイメージです。

話しながら、この話題だと「な〜んか胸が苦しい」、とか、「どことな〜く眠くなる」、「ふっと怖い感じがする」、など、わずかな感覚をキャッチします。

「な〜んか胸の辺りが苦しい感じがします」と言葉にしてみます。

<これってなんだろうか?>と二人で検討します。

すると、「そういえば、忘れてたけど、先週こんなことがあって…」と、話題が出てきて面接が展開していきます。

水面のわずかな動きをキャッチして、魚を釣り上げるようなイメージが浮かびます。

また、面接中に例えば、なぜかドアが急に開いたとか、偶然の現象なども、取るに足らないこととするのではなく、その体験を味わってみて感じることを話し合ったりもします。

主観を感知しやすくするために、プライベートが守られた面接室という特別な場があることが重要だと思っています。

こういった間主観的な体験や、偶然の体験を大切にするのと同時に、精神分析的心理療法の理論や、その他様々な臨床心理学的な知識も使いながら、頭での理解も行います。

さらにカウンセラー自身がカウンセリングを受ける体験、スーパービジョンを受ける体験を持っており、過去の似たようなご相談内容の体験もある場合もあります。そういった体験知も動員します。

(体験だけに頼るのは良くないですが、経験値が上がればそれだけうまくなるのもまた真実でしょう。かつて、「年を取れば、カウンセリングはうまくなると言われているよ」と教官に励まされたのを思い出します)

間主観的な体感、知識、体験をフル活用して、頭も体も使いながら、じっくりとあなたの悩みにアプローチしていきます。

終わりを設けず、何回かけてでも、このモヤモヤを何とかする。じっくりと向き合っていくこともできます。

低温調理でじっくり火を通していく、長時間かけて熟成させていくといった料理法にもなぞらえることができるかもしれません。

このような形での「しっかり話せるパーソナルな場」があります。

密室で2人でいるのだけど、面接室というフィールドに、2つの体という感覚受容器を置いて、感知されたものを話し合ったり、2つの受容器の間で同期するものを検討したりする、ある意味、客観的で科学的な面があり、一方でとても情緒的な交流でもある、理系も文系の要素もあり、交流から新たな理解や発想が生まれるという創造性もある。芸、アートの側面もあるような、そういう取り組みです。

いわゆるカフェで友達に愚痴を聞いてもらい、とりとめなくおしゃべりするのとはかなり違うものだと思います。

こういう取り組みにより、心が豊かになったという実感を持てる方がいるという実例があるから存在してきている取り組みです。

関係性、間主観性を大切にした精神分析的心理療法に、その他の理論も用いつつ味付けしているタイプの心理療法です。

「主訴が自分でもよくつかめないけど、心はモヤモヤ・・・」「うまくいえないけど話してみたい、どこか苦しい・・・」そういった訴えに、フィットしやすいアプローチだと感じております。

つくば近辺の方、また遠方の方も、よろしければ、心をじっくり見つめる場にお越しください。

「主訴はよくわかんないけど、興味がある。話してみたい気がする」「こんな話をしたら断わられちゃうかなあ」という方は、充分、当ルームのカウンセリングを申し込みいただく条件を満たしております。

これまでカウンセリングにご縁がなかった方でも、カウンセリングがお役に立てるかもしれない方に届いて欲しいと願いつつ、筆を置きたいと思います。







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