見出し画像

スーパービジョンとセラピーの2つを受けるメリット

この記事は、臨床心理士や公認心理師としてカウンセリングやセラピーを生業としている方向けです。

少し長いのと、余計なお世話、おせっかいな記事ではありますので、それでも構わないという方にお読みいただければうれしいです。

セラピーへのモチベーションがない理由

スーパービジョン=自分がカウンセラーとして担当しているクライエントとのカウンセリングのプロセスについて、指導者に、助言、指導を受け、カウンセリング技術の向上を図る活動。

セラピー=自分のリアルな心の悩みや課題について、カウンセラーにカウンセリングを受けること。自分自身のパーソナルな心の回復、成長、拡がり、豊かさを促進する活動。

とします。

日本の大学院教育ではスーパーバイズは受けるけど、セラピーは受けません。

だからそもそも2つを受けるという発想自体が意識に入ってきにくいです。

(教育分析について知識としては習うけど、全然自分事にはならない人がほとんどでしょう)

少なくとも、わたしはそうでした。

でも、結論から言えば、二つを受けると、とってもメリットが多いのです。

もっと早く知れば良かった。と率直に思います。

ですので、特に若い方にメリットを共有したいと思い、記事を書いています。

デメリットももちろんゼロではありません。

自分の悩みをきちんと扱ってくれるセラピストに出会えなかったら傷つく。

とか、

自分の悩みを扱うことで一時的に苦しい状態になる。

この仕事の難しさ、重さなど現実に打ちのめされ辞めたくなる(かもしれない)。

など、なんらかのクライシスが、ほぼほぼ間違いなく起きます。

しかし、自分にあったセラピストに出会えれば、ここはしっかり伴走してもらえるでしょう。

クライシスをワークスルーしていくと、メリットを体感できるようになります。

あなたは専門知識を持っているので、自分の力になってもらえそうなセラピストの条件は、一般の方よりわかるはずです。

つまり、セラピーを受けるというモチベーションの方が、セラピーに向かえない要因なのだろうと思います。

ですので、モチベーションにつながるような内容を書けたらうれしく思います。

教育分析というと、どこか厳しい修行とか、近づき難いイメージがつきまといます。

精神分析の用語は、どこか硬くて、それだけで敬遠されやすいのはもったいないと思います。

例えば、徹底操作(ワークスルー)。

何を操作するんだ?という印象を受けます。

これは、平たく言えば、「やりきっちゃう!」ってことだよねと思ったりします。

あきらめずに、最後まで、何度でも、やりきっちゃうぞ!(分析の先生に怒られそうですが)

話が逸れました。

セラピーを受けるメリット

では、自分のセラピーを受けるメリットについてみていきます。

わかりやすく話を進めるため、ここからは、一輪車と自転車に例えてお話をしていきます。

ここから先は

2,846字

¥ 100

いただいたチップは心理支援にまつわる情報発信や心理臨床家が社会に根付くための活動費として使わせていただきます。