自分軸づくりは続くよどこまでも
日本では、セラピーは一般的ではありませんが、ニーズはあるように感じています。
例えば、「自分軸」というワードで検索すると、様々な情報が出てきます。
それだけ、いまの時代には、自分軸を求める人々がたくさんいるのだろうということが見えてきます。
自分軸づくりを考える人が増えるような時代の流れもあるのだと思います。
誰かに頼っていれば一生安泰という時代ではないようです。
個としての自分が強くならないと、生き残れないような空気感があるように思います。
自分軸づくり、言い換えれば等身大の自分づくりには、他者からのフィードバックが必要です。
一人ではできません。心の変容には他者が必要です。
それを行っているのが、心理カウンセリング、セラピーの場です。
他者が鏡の役割となることで、自分を知ることができます。
等身大の自分は、自分には見えていないものです。
人には生まれてから身につけてきた対人関係や、思考や感情のパターンがあります。
さらにそのパターンは家族代々のものだったり、国家や文化の影響も受けています。
そのパターンをできる限り知ろうとし、修正するべきものは修正していき、等身大の自分を発見し、新しいパターンを作っていく作業をセラピーでは行います。
長い時間をかけて作ってきたパターンは、長い時間をかけてじっくり変化していきます。
それが自然です。
子育てはおんなじような毎日を繰り返す中で少しずつ進むのと一緒です。
時には何世代もかけて修正され、体現されることもあると思います。
創部から何年も経って、甲子園初出場を果たすように。
サッカーワールドカップへの出場が何十年もかけて、あたり前になってきたように。
女性の社会進出が少しずつ少しずつ進んでいるように。
その取り組みにじっくりお付き合いするセラピーを行います。
数年に及ぶ道のりになることもあるでしょう。時には一生涯続く場合もあるでしょう。
自分と向き合うのは辛い作業です。
見たくない自分がセラピーでは鏡のように映し出されてきます。
くる日もくる日も変われない自分にうんざりするかもしれません。
見えていなかった自分がセラピーでは映し出されてきます。
時に、変われた、新たな自分にびっくりし、心から嬉しい気持ちになる日もあると思います。
喜怒哀楽を繰り返しながら、それでもただひたすらに続けていきます。
そのための場をあたため続けていきたいと思っています。
ぜひ、セラピーにご関心のある方は、実際のご利用というアクションをお願いします。
当室に限らずですが、日本でセラピーという営みが存続するためには、お一人お一人の「自分のための」行動が必要です。
現状日本では、街の開業セラピールームでは、ご利用者からいただく利用料を糧にセラピーが営まれていると考えてほぼ差し支えないと思います。
寄付や税金などによる資金の割合はほとんどないと思います。
お一人お一人の自分のためのアクション。それが、セラピーの存続にもつながり、大切な誰かのため、次世代のため、にとつながっていくのではないか、WINーWINの関係が連鎖していくのではないかと最近考えています。
そこは一般的な社会経済活動となんら変わりません。
セラピーとは、面接室の中で行われる極めてプライベートな営みです。セラピストは、極端に自己開示をしたり、個性を発揮し過ぎると、鏡ではなくなっていきます(このあたりの詳しいご説明はここでは割愛します)
しかし社会に認知されなければ、そもそものセラピーの場が存在できません。
セラピストは、認知されることと、セラピーの質を保つために開示を控えることの葛藤がいつもあります。ここが一般の社会経済活動において、難しい点でもあります。宣伝をするのが難しいのです。
実際のセラピーってどんな感じだということや、セラピストってどんな人かということが、ある程度ベールに包まれている方が、セラピーが展開しやすいと考えられているのです。
そのあたりのセラピストとしての立ち位置、当ルームの自分軸づくりも、まさに試行錯誤の連続です。