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優しい写真・幡野広志作品展で思い知ったこと。
私は写真家幡野広志さんの、ツイッターを良く拝見させていただいている。言いにくい事をずばり、じぶんの言葉として答えていることに
すごいな、ストレートだなと思っていた
私は、約十年前に心理カウンセラーの資格をとり起業した事があり
人の相談については、すごく神経を使いすぎて対したアドバイスにもならなかったであろう。人の相談を聞いてお代をいただくほど嫌な物はない。
もっとカジュアルであるべきものであり、私は相当苦しかった事をぼんやりと思い出していた。
そんな11/10幡野広志さんと、糸井重里さんのトークショーがあると聞きチケットを手に入れる。
◇◇◇◇◇
ソニーイメージングギャラリー銀座6Fの幡野さんの作品展に入ると
息子さんの優くんの、日常の写真がはりめぐらされとても優しい空気が流れていた
透明の中に薄い水色や黄色のような色さえ感じる空間だが
幡野広志さんは、癌を患っている訳でいずれはお別れする日がもう決められているのだ。
私は、とても幡野さんの作品展も書籍も含めて読めないんじゃないかと思っていた
書店で、2回ほど幡野さんの本を手にしたのだが読むことが出来ず元の場所へそっと返していた。辛くなると思ったからで、私の中のまだ記憶に新しい死についての辛さを乗り越えていない心が、防御していたんだと思う。
写真に映る2歳の優君の表情はまさに天使、泣いていても笑っていても
お水を飲んでいても、タンポポをみつめていてもキラキラとしている
その優君を見つめる幡野さんは、殊の外優しい顔をして優君をみつめている
この瞬間を自分の頭の中のファインダ―に収めているのだと感じた。
トークショーの冒頭で、ご自分が亡くなったら奥様には、再婚してほしいという話から始まり度肝を抜いた。まだ生存しているのにもう、その後の奥様の幸せを願っているという事を遺言みたいに言うのだから・・・
一生あの人の奥様だったからというレッテルの未亡人をする事でもないんじゃないか?と糸井さんもおっしゃっていた。
まさにそうで、私は主人が3年前に亡くなっているのに2年お付き合いしている人が居て、今は共に暮らしている。
「ご主人との空間にお邪魔して申し訳ない」と彼は前はよく言っていたが、
今は共存しているかのように、同じ空間で主人の仏壇にお線香を炊き慰霊写真は私達2人を見守っていると私は思っている。
死という悲しみから、新しい恋や再婚などは相当の葛藤と人から
なんやかんや言われることは、覚悟しなければならない。そういえば幡野さんは癌になってから、たくさんの口が現れいろいろ言われることが増えて結構辛いとおっしゃられていた。それが「癌」という病気の意味に含まれるのかもと。
「お身体だいじょうぶなんですか?」と聞かれ、大丈夫なわけが無いと私はなら思うし、しょうもない事聞くの辞めてよと私なら怒る。
今の寿命の時間を無駄にしたくないに決まっていると思う。
私なら、自分が癌になってしまったら人の相談ななんて乗れない、自分の事で精一杯だから・・・幡野さんは楽しむかのように人から相談され、たくさんの方へお返事をしているらしい。
作品展に、優君も居て私はちょうど近くの席に座っていたのでお母さんに抱かれた優君をみつめていた。とても可愛いしやはり透明の空気に金平糖みたいな色があるように感じる
私にも息子が居るので、複雑な気持ちになりながら楽しそうに語る幡野さんと糸井さんのトークに吸い込まれていく時間だ。
いつかは人は死ぬわけで、いろんな事情で死ぬ順番が変わるだけで皆同じ方向を向いている
幡野さんが優君を思うがあまり、少々過保護じゃないかい?と糸井さんがおっしゃりながらも、糸井さんの娘さんへの愛を語った。
常に心配するというよりは、ここぞという時に全力で娘さんの見方をするんだよと。
私は、全力で息子の味方をしたことがあっただろうか?
ないな
酷い母親で自分勝手で、まだ再婚しようかなと考えているどうしようもない人間だ
唯一の一人の親とも、随分前からうまくいかず私は諦めているのだ。主人が亡くなった事さえ伝えていない。どんなに歩み寄っても分かり合えない家族に使う時間はもったいないと思う。
親との絆って親からはあっても、絶対に子供がそう思うか?といえば
そうでもないということもあるのだし、それでいいのだ。
子供は親を選べない・・・
なんだか、軽い気持ちに勝手になり今日来て良かったなと心底思った
もしかしたら、故主人も今が幸せならもっと楽しめば?と言ってくれているような気がしたのだから。
話は変わりますが、土曜の銀座はすごいな~久しぶりに一人で来た銀座
やはり敷居が高い!なんか食べて帰ろうと思ったのですが人ゴミに圧倒されてお腹減りませんでした(笑)
美味しいものも、美しいディスプレイも銀座ではキラキラしているけど
優君の写真には叶わないよ、もう一度見にいこうかしら。
幡野広志さんの作品展は11/15までですが、ぜひお時間のある方はその優しい写真を見にいってみてはいかがでしょうか?
https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/181102/