カレー屋の小さな渦
よく行くインドカレー屋で最近気付いたことがある。
行くとカタコトレベルではあるが、「ありがとう」とか「美味しい」くらいは、ヒンディー語、ネパール語で話すようにしている。
彼らにはそれがすごく良い印象を与えるようで、すぐに「インドに行ったことがあるのか?」とか「どこで習った?」とネイティブ扱いしてくる。
「少ししか話さないよ」と言うけど、たいていはニコニコして愛想が良くなる。
相手の立場になってみれば、自身が異国のレストランで働いていて、外国人がカタコトでも日本語で話しかけて来たら、悪い気はしないだろう。
さて、そのレストランで、いつもホールで注文を取る兄さんがネパール人と分かったので、カタコトのネパール語で話していた。
ある時、その兄さんがお休みだったのか、たまたま居ない時に、いつも厨房に居る兄さんが出てきた。
ネパール語で話しても、もう一つ反応が悪いので、もしかしたら…と、どこの出身か聞いてみると「ヒンディア」とのこと。
なるほど…だった。
ネパール人は大抵はヒンディー語が通じるが、インド人にネパール語は通じないことが多い。
片互換性なのだ。
その日以来、ホールのネパール人にはネパール語を、厨房のインド人にはヒンディー語で話しかけることにした。
さよならは、ナマステで共通だからいいのだが、美味しかったよ、とか、また来るね、は別の言葉になる。
ネパール語で話すとインド人が寂しそうな顔をするし、ヒンディー語で話すとネパール人が寂しそう。
最近はあえて話さないようにしている😅
そんな小さな渦を巻き起こしたくないからだ。