記者会見と令和の目

施策の発信力はあるのに、区長の発信力があまりなくて勿体無く思う、会見を記者向けだから非公開にしてしまうのではなく、情報を届ける姿勢があってほしい

2024/3/16

議事録は以下の通りで、「会見はあくまでメディアに向けたものだから配信はしないよ」、という内容。

それはそうと分かりつつ、ぱっと検索しただけで、杉並区も品川区も中野区も北区も区長記者会見をライブ配信している。

当然世代によるものの、YouTubeはほとんど生活インフラに近いものになっているし、(タダでできるわけではなくコストが掛かることも理解しつつ)活用する検討ぐらいはしてもよいのでは。

あたらしさの象徴みたいな渋谷区(当然諸説あると思うので、いつかまた検討したい)が、意固地にやらないのがわからない・・・。

届きやすく、厳しくなった

YouTubeに限らずではあるものの、世間では記者会見のライブ中継がやたら色々なところで見られるようになった。
auの通信障害に関する会見だったり、ジャニーズ問題の会見だったり、知床遊覧船の土下座会見、最近で言えば静岡県、兵庫県知事の会見だったり。

情報技術が発達してリアルタイムに映像と音声を届けられるように(そしてどこでも受け取れるように)なった結果、厳しい目も向けられやすくなった。

悪いことさえしなければ、謝罪会見を開く必要もないわけで。 個人的に、デジタル時代のメリットでありデメリットは「透明化」だと思う。 リアルタイムで誰がどこで何をしているかが簡単に分かってしまう。

Yahooニュースのコメント(2023/7/28)

会見は当事者の生の声に触れられる貴重な機会であることは疑いない。だからこそ社長会見も総理会見も、気象庁の会見から芸能人、野党幹事長の会見まで見たくなる(し見ている)のも間違いない。

一方で最近の会見は長引くし、記者の質問も激しい。いや昔からそうだったのを知らなかっただけなのかもしれないけれど、とにかく悪意を感じるもの、誘導するようなものもたくさんある。
それは相手の"本音"を聞き出す手段として一様に否定するものではないけれど、見ていてあまり心地良いものではない。

会見の後半になってくると、自説を延々と述べる記者も出てくる。そして記者にもヤジを飛ばしたくなったりする。(笑)

時代の流れと昔に学ぶ

それはさておき。
コンプライアンス時代も相まって、世間の厳しい(好奇と歪んだ正義感も雑じったような)目が記者会見に向けられやすくなっている。
謝罪会見の研修をするサービスも出てきているようだし、まさに時代の流れという感じがする。

この手の謝罪会見を見て、過去の事件を思い出したりもする。気になった時にWikipedia以上に知ろうとすれば、こういうページがとても参考になるなあと思った。
企業向け・リスクマネジメント「あの後どうなった?」飲食店・食中毒編 | 株式会社シールド (shield-ins.co.jp)

「焼肉酒家えびす」のユッケ事件を取り上げている。保険代理店が書いているので、企業保険の大切さにつながる内容になっていることは念頭に置きつつも、書きぶりは極めて客観的でわかりやすく、的を射た分析だと思う。

「賠償責任の発生要件について」以降のところが特に興味深く、平たく言ってしまうと厚労省の衛生指導のガイドラインもあいまいだった、そこにも責任があるのではという内容。

ルールを厳格化しすぎれば運用が追い付かないし、個人の主権も制限することになる一方、(国の基準を「形式的には」満たしていた船で)沈没事故のようなことも起きてしまう。規制の塩梅は難しい。

「KAZU I」の甲板下には隔壁が3つあり、前方から船倉、船倉、機関室、舵機室に分かれていた。これらの隔壁には人が通るための縦横80cm程の開口部があり、水密構造にはなっていなかった。船舶安全法上は、航行区域が限定されている小型船舶には水密構造、完全密閉は要求されていない(中略)
引き揚げ後の現場検証において、これらの隔壁はいずれも木の板が破損して開口していたことが確認された

知床遊覧船沈没事故 - Wikipedia

そういえばユッケ事件も、社長の逆ギレ(?)会見が注目された。耳が聞こえないふりをしていたピアニストにゴーストライターがいた会見もこの頃じゃなかったかなあ。

どちらも当時厳しい批判にさらされたと思いつつ、良くも悪くも、令和の目はさらに厳しくなっている気がしてならない。メディアも、世間も。


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