少し前に読んだ本
佐伯泰英
難破 古着屋総兵衛影始末 第九巻
巨大帆船大黒丸の乗組員だった船大工箕之吉に柳沢吉保一派が目をつけた。総兵衛、駒吉主従は伊香保、草津、小浜へと箕之吉を追う。幹部しか知り得ない渡航行程を何故、箕之吉は知っているのか。柳沢一派にも漏れているのか。裏切り者は誰なのか。やがて、琉球入港目前の大黒丸に南蛮の大型海賊船が立ちはだかる。大黒丸は海の藻屑と消えるのか
交趾 古着屋総兵衛影始末 第十巻
琉球沖の大黒丸遭難で総兵衛以下、又三郎、駒吉など主だった人材を欠いた富沢町大黒屋を柳沢吉保の魔の手が襲う。その陰湿残忍な手口に身重の美雪はある決断を下す。一方、総兵衛は南洋の孤島で大黒丸の改造を果たし、針路を交趾(ベトナム)へ取った。かの地には寛永以前に多くの和人が渡航し、日本人町の記録もあるというのだが……
帰還 古着屋総兵衛影始末 第十一巻
大黒丸は信之助の待つ琉球泊湊へ寄港した。薩摩・清の二重支配に喘ぐ琉球での自由な交易を目指す総兵衛に立ち塞がったのは、薩摩藩であった。総兵衛らは示現流の遣い手集団院外団を撃破し、六隻の軍船を連ねる十文字船団との海戦に勝利して、勇躍江戸帰還を果たす。そして遂に宿敵柳沢吉保との最終決戦に突入する──。感涙滂沱、破邪顕正の最終巻