
最近読んだ本
佐伯泰英

夢を釣る―吉原裏同心〈30〉
吉原遊廓の陰の用心棒・神守幹次郎は、姉妹の売れっ子見番芸者が、禁忌を犯して客と床入りをしているとの噂を聞く。同時に年の瀬、煤払いの賑やかな吉原で、ふたりの間抜けな掏摸が捕まる。これらの小さな出来事の陰には、吉原を貶める大胆な企てが蠢いていた。命を懸け悪党たちの大捕物に挑む幹次郎は、苦悩の果てに、新たな使命を心に誓うことになる―。
春淡し 吉原裏同心(31)
高齢の四郎兵衛に代わり、廓を御する吉原会所の八代目頭取を誰が継ぐのか。五丁町名主の話し合いは紛糾し、画策や探り合いが始まった。
新春の吉原、次期頭取候補と目される神守幹次郎を狙い、送りこまれる刺客に、張られる罠。危機を覚えた幹次郎は、故郷の豊後岡藩藩邸を訪れるとともに、ある決意を固める。吉原百年の計を思い、幹次郎の打つ、新たな布石とは!
赤い雨 吉原裏同心(33)
京での修業先が決まった幹次郎と麻。その新生活は不穏な空気に包まれていた。祇園旦那衆らの寄合で、不審な殺人について探るよう依頼された幹次郎は、正体の見えぬ強敵に立ち向かうことに。一方、裏同心不在の吉原では、老舗の大籬がついに謎の山師の魔の手に陥ちてしまう。二つの町で進行する企みと危機の連続。裏同心幹次郎と吉原の人々の新しい闘いが幕を開けた。
乱癒えず 吉原裏同心(34)
禁裏の刺客・不善院三十三坊を斬った幹次郎。
その直後から、禁裏と、ある西国の雄藩の影が祇園の町にちらつきはじめる。両者の暗い思惑を断つべく幹次郎は、入江同心と共に思いがけぬ場所へと潜入する。吉原では、澄乃と身代わりの左吉の必死の探索によって、吉原乗っ取りを企てる一味の正体へ少しずつ近づくのだが――。
いよいよ決戦前夜か、手に汗握る展開!