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猪牙の娘 柳橋の桜(一) 佐伯泰英
吉原や向島などへ行き交う舟が集まる柳橋。神田川と大川が合流する一角に架けられたその橋の両側には船宿が並び、働く人、遊びに行く人で賑わっていた。柳橋の船宿「さがみ」で働く船頭の広吉には一人娘がいた。名前は桜子。三歳で母親が出奔するが、父親から愛情を受けて育ち、母譲りの器量よしと、八歳から始めた棒術の腕前で、街の人気娘に育っていた。夢は父親のような船頭になること。そんな桜子に目を付けた船宿の亭主による「大晦日の趣向」が思わぬ騒動を巻き起こし……。涙あり、恋あり、活劇あり。
あだ討ち 柳橋の桜(二) 佐伯泰英
棒術で悪党を懲らしめたことが読売で書かれ、江戸で評判となった桜子は、念願の女船頭となります。舟盗賊が出没し殺人事件も起きているという物騒なこの時期に船頭となることを心配する父・広吉。そんななか、桜子に思わぬ悲劇が……。
二枚の絵 柳橋の桜(三) 佐伯泰英
父・広吉を襲った恐ろしい魔の手から逃れるため、
柳橋から姿を消した娘船頭の桜子と、棒術の師匠・小龍太。
異国船「上海丸」に乗り込んだ二人は、経験したことの
ない食べ物、風物に出合い目を見開かれる。
そんな中、長崎の出島に招かれ、オランダ人の絵描きコウレル
がのこした「二枚の絵」を目にした桜子は、強い衝撃を受ける。
果たして、そこにあった不思議な縁とは?
夢よ、夢 柳橋の桜(四) 佐伯泰英
波乱万丈の旅を経て
新しい生き方を探す桜子と小龍太。
魚河岸の老舗・江の浦屋5代目が仕掛ける異国交易の仕事の
未来と大きさに惹かれる小龍太。
小龍太との祝言を前に、船頭の道を進むべきか悩む桜子。
そんな中、オランダ人画家コウエルの「二枚の絵」が
それを見た人々を少しずつ変えてゆく-―
早朝の柳橋・神木三本桜に願うのは、大きな儲けか、夢の実現か。
猪牙強盗の事件の謎の解明、そして
未来への希望が詰まった最終巻。
若さま同心 徳川竜之助 4 陽炎の刃 風野真知雄
柳生の里からの刺客、柳生全九郎はひとまず去ったが、今度は肥前の新陰流の遣い手が動き出したとの噂が徳川竜之助のもとに届く。一方、年が明け賑わいが戻ってきた江戸の町では、犬が辻斬りにあったり、火の見櫓から降りてこない男が現れたりと、奇妙な事件がひっきりなしに起こっていた。