最近読んだ本
上田秀人
史実は謎を呼ぶ―時代ミステリ傑作選 上田秀人他
ミステリと時代小説のコラボレーション。往年の大家あり、現代の第一人者あり、時代作家・ミステリ作家の双方から、出世作、隠れた名作などを選りすぐり。戦国から明治まで、実在の人物・史実に依拠した七篇を、舞台となった年代順に配列する。文庫オリジナル。
*目次より
井沢元彦「明智光秀の密書」*本能寺の変
上田秀人「功臣の末路」*堀田正俊刃傷事件
田中啓文「忠臣蔵の密室」*忠臣蔵
浜尾四郎「殺された天一坊」*大岡裁き
小林久三「『解体新書』異聞」*河口信任
菊池寛「入れ札」*国定忠治
風野真知雄「黒牛と妖怪」*鳥居耀蔵
隠密鑑定秘禄二 恩讐
諸大名二百数十名の人事評価が記された「土芥寇讎記」。
五代将軍綱吉の頃に編纂されたその書物の新版作成のため、
小人目付、射貫大伍が調査役に抜擢された。
自身の権力基盤を強化すべく完成を急がせる将軍家斉。
しかし右も左もわからぬ大伍は苦戦を強いられる。
そんな中、将軍の居室である御用の間が何者かに探られるという不審事がーー。
下手人探索という新たな命が大伍に下された!
急がねば、消される。
隠密鑑定秘禄三 下達
将軍の腹心候補は見つかるのか?
決死の秘命を受けた射貫大伍の「諸国大名調査行脚」が始まる
旅に出たくても出られない。
小人目付の射貫大伍は焦燥感に駆られていた。
「躬の腹心となる大名を探し出せ」との秘命を将軍家斉より下されたが、
松平定信の横槍に遭い出発できずにいた。
しかし、ついにその時がきた。
廻国剣術修行の許可を得た大伍は、旗本に扮し武蔵国岡部に向かう。
藩主、安部信亨は有用な男なのか。
決死の隠密調査が始まった。