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料理からたどるアガサ・クリスティー:作品とその時代 カレンピアース 富原まさ江
本書では、クリスティーが物語をある方向に導くため、または登場人物の特徴を際立たせるために食べ物をどう利用しているか、またペポカボチャやマーマレードなどの食材にも着目し、その作品ごとに登場する飲食物について紹介しています。調べていくうちに、クリスティーの時代に地理的な特徴や気候、使用人、戦争、テクノロジーが世界の変化、そして食文化にいかに影響を与えたかに気がつきました。クリスティーの小説の舞台も初期は数多くの使用人が働く田舎の屋敷でしたが、世界大戦を経て、最新の時短器具を備え、専門職を持つ中流階級の家庭へと変化していきます。(本文より)
ミステリの女王にとって食事は、創作においても、実生活においても大切なものだった。作中の晩餐会で、登場人物の故郷の味として、殺人の凶器として登場する料理から見えるものとは。当時の手法に沿ったレシピと解説でたどる。
転売ヤー殺人事件 松澤くれは
プロとして、誇り高く転売行為を続ける「俺」。しかし巷では転売ヤーを狙った連続殺人事件が発生、現場の動画がSNSで拡散され、転売が社会問題として連日ワイドショーでも話題となる。
身の危険を感じつつ転売を続けている中、「俺」は人気中学生配信者の凸を受けてしまったことから自宅を特定され、転売ヤーの元締め「転売王」だという事実無根の噂を流されるなど、とんでもない状況に陥り……。