ちょっと前に読んだ本
佐伯泰英
異館 吉原裏同心決定版 11
天明八年正月、京で大火が発生、吉原を狙った島原の勢力は力を削がれたかに思われた。
折しも吉原では、京・西陣から江戸に店開きした織物商が薄墨太夫に接触、さらに武家を狙った辻斬りが連続する。
新たな敵に立ち向かう幹次郎の前に、妖しい女剣客の影が近づく。
すべての事態を操る悪党どもの尻尾を摑んだ幹次郎は、彼らの巣くう異形の館へ侵入を図るが……。
隠居宗五郎: 鎌倉河岸捕物控14の巻
祝言の挨拶まわりに出かけた金座裏の若夫婦・政次としほは、掏摸(すり)の一味を捕まえた。その裏には掏摸団を何組も鵜飼いのように操っている頭目がいるらしい。
一方、長年金流しの看板を背負ってきた宗五郎の脳裏には「隠居」の文字がよぎり……。
金座裏の九代目と十代目、力をあわせて江戸の騒ぎを収めてゆく!
うぶすな参り 鎌倉河岸捕物控(二十三の巻)
享和二年(一八〇ニ年)の残暑の朝、十一代目の元気な泣き声が、鎌倉河岸に響きわたっていた。金座裏は、「神田明神」へのうぶすな参り(お宮参り)の話題でもち切りだ。その夜、赤ん坊に蛍をと龍閑川に蛍狩りに出かけた亮吉が、顔見知りの瀬戸物屋の娘の水死体を見つけてしまう。手には蛍が入った紙袋を掴んでいた―。政次たちは早速、探索をはじめるが・・・。