最近読んだ本
佐伯泰英
失意ノ方-居眠り磐音江戸双紙(47)
江戸城中を揺るがした佐野善左衛門の刃傷事件のあと、
尚武館から姿を消した松浦弥助は、自らが手にかけた藪之助の遺髪を懐に忍ばせ、伊賀泉下寺を目指していた。
一方江戸では、坂崎磐音が月に一度の墓参のため忍ヶ岡の寒松院を訪れていた。
その帰路、竹屋の渡し場に立った磐音は、向こう岸から近付く乗合船に思わぬ人物の姿を認め……。
白鶴ノ紅-居眠り磐音江戸双紙(48)
城中で十代家治の御不例が囁かれ、水面下で十一代就位への準備が進められる中、
雨上がりの小梅村には嫡男空也に稽古をつける坂崎磐音の姿があった。
その日の夕暮れ、尚武館の住み込み門弟の一人が突如行方をくらます。
翌日内藤新宿に姿を現したその門弟は食売旅籠の店先に立っていた。
一方、八月朔日、金龍山浅草寺の門前に新たな紅屋が店開きし……。
意次ノ妄-居眠り磐音江戸双紙(49)
天明八年、小梅村の尚武館道場に隣接する母屋の庭では、坂崎磐音の子、空也がひとり稽古に精を出していた。
前年の徳川家斉の十一代将軍に就位に際し、御三家らの後ろ盾を受け老中首座に就いた松平定信が改革を推し進める中、
磐音は尚武館道場を訪れた速水左近によって思いもよらぬ報せがもたらされる。