クロノラセブン・ブルース 001/スーザン 004
ボクは、知らないうちに捨てられたんだ。
その日、ご主人の車に乗って、ドライブを楽しんでいたつもりだったんだ。
暫くして車が停まったから、ボクも降りたんだよ。
そこは河原で、とっても風が気持ち良くて、ボクはそこら中を走り回ってたんだ。
ふと気づくと、ご主人がいない、車もない。
ボクは、急いでご主人を追いかけたよ。
きっと、ボクが車に乗ってないことに気づいてないんだって思って、一生懸命に追いかけたんだ。
だけど、ご主人の車は見つからなかったんだ。
ボクは疲れ果ててしまったから、道端に座って待つことにしたんだ。
ご主人が、ボクがいないことに気づいて、探しに来てくれるかもしれないと思ってね。
すると、何人かの人間が、ボクに声をかけてくれた。
食べ物もくれた。
でも、ご主人は来なかった。
ああ…、ボクは捨てられたんだ。
ていうか、あの河原で、ご主人がいないことに気づいたとき、それはわかっていたんだけどね。
そう…その日から、ボクの野良生活が始まったんだ。
八讃「ねぇ、その猫って、スーザンのこと?」
スーザン「いいえ、違うわ」
(クロノラセブン・ブルースは再投稿)
(スーザン 005へつづく)