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御裸イ坂〜哀捨てNOTE 034/小説+詞(コトバ)

♪昇り続ける陽(ヒカリ)は紅

やがて真紅の陽が落ちて
海が輝く 黄金の瞬間(とき)
昨日があって 今日があり
明日がある

また紅の陽が昇り
海が燃える 始まりの瞬間

笑いの絶えない日々の中
泣いた日もあった
怒った日もあった
あーして こーして そーして
瞬間をくりかえし くりかえし
過去から生きて来た
今を生きている
未来へ生きて行く


 元気よく、陽が『哀捨てノート』に入って来た。

「アタル! 私、会社を辞めて来た」

「マジで?」

「うん。脱OLして、『哀捨てノート』の看板娘になりに来てあげたよ」

「本気なの?」

「うん」

「両親にはちゃんと相談したの?」

「うん。その点、ウチは自由だから」

「見放されてるのか、信用されてるのか、どっちなんだろう?」

「もちろん、後者に決まってるじゃない」

「なるほどね」

「そうなのよ! それで、マスター。まずは何をしたらよろしいでしょうか?」

「では、一緒に店の掃除をして頂けますか?」

「はい、かしこまりました」

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