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9.9 中内功記念館とダイエー資料館

今回の関西遠征の目的は電車撮影やメイドカフェ入店もあったが、神戸にかつて日本最大であったスーパーマーケットチェーンの一大資料館があると聞き、またここの展示が相当なものであると知り行ってみたかったからである。

三ノ宮から地下鉄で30分、学園都市に到着。


駅前はいたって普通の住宅地である。
15分ほど歩くと、流通科学大学に到着。
ここは、ダイエー創業者である中内功が1989年に創設した大学である。

であるため、創立者の資料があるのは容易に想像がつくと思われるが、創立者も創立者。彼は一大スーパーマーケットチェーンを作った偉大なる人物だ。

神戸にあった、中内の実家であるサカエ薬局。ダイエーのエーの部分の由来で、彼の祖父の名前に由来する。



館内には、中内功がダイエーで安売りを成功させ規模を拡大していくにつれて発生した国との軋轢やそれを乗り越えダイエーを成長させた功績について展示されている。


この大学の中に、ダイエー資料館というものもある。上のロゴ、見たこともある方も多いのではないだろうか。私も目黒に住んでた時代に行ってた地元の碑文谷店はこのロゴだったと思う。


そう。産業再生機構入りするまで、2005年まではこのロゴだった。


ダイエーといえば、東京・芝公園に「軍艦ビル」といわれる横長のビルを保有し拠点を置いていたことは知っていたが、大阪にも江坂にこんな大きいビルを保有し業務を行ってたんだって。


これが大阪・京阪千林駅前にあった初代店舗をモデルとしたものである。当初は祖業の薬局の文字を入れていたがすぐに外すことで規模拡大の第一歩にしたのだろう。「主婦の店」とはかつて存在した中小スーパーのボランタリー・チェーンであり、中内はこの提唱運動に参加し1962年まで参加していたそうだ。



店の制服や初代の店舗についても触れられている。


店の看板や、ダイエー各店の店長が繁栄を願ってサインをしたダルマや、開店時に各店の店長に渡される鍵なども展示してある。
隣には今ではどのスーパーでも当たり前になっているプライベート・ブランドの歴史や対象商品について述べられている。プライベート・ブランドも始めたのはダイエーだったのだ。

中内が述べた「よい品をどんどん安く」を実現するには自社での商品開発が欠かせなかったのだ。


年表形式でダイエーの歴史(主に中内社長時代の1999年まで)について学ぶこともできる。

部屋の奥には資料館があり、ダイエーの当時の生の記録映像が見れるほかに、ダイエー各店舗の制服、写真やローソンやビッグボーイ、マルエツ、セイフー、Dマート、コウズ、トポスなど直営や子会社のスーパーやコンビニ、ディスカウントストアや買収した忠実屋、ユニードダイエーや競合他社の写真やチラシ、FC加盟案内など資料が大量にあり、何時間たっても足りない。

私は地元だった碑文谷店や大崎店の資料にくぎ打ちになってしまった。碑文谷店、中内さんを招いたパーティの写真まであった….(!)

ダイエー傘下時代のローソンの広告戦略やFC加盟案内、就職希望者向けの会社案内、2000年上場時のダイエー株式売却(注:上場後三菱商事系だったローソンは2024年6月上場廃止しKDDIなどによるTOB成立)。(ここまで見れるのか…)初期の高級感ある店舗の写真もかなり印象的….

コンビニではセブンイレブンが先行しており、(中内社長もコンビニ構想を練るために、セブン1号店を視察していた)、後発のローソンがいかに広告で戦略を練っているか….
親会社(スーパーマーケット)ではこちらの方が大きかったと思われるものの、それに甘んじない戦略があったのだろうなとかと思ってしまう。

時間を忘れそうになってしまうが、次の予定があるので学園都市駅に戻る。


ダイエー資料館の最寄であるが、ここのダイエーは運営こそダイエーのままであるが、2019年に、買収された親会社、イオンのブランドを使用した「イオンフードスタイル」に変わってしまった。残念。

資料館について気になった方は以下のサイトからアクセス。見学は平日のみで要予約制なので注意。

中内㓛 記念館 MEMORIAL HALL OF ISAO NAKAUCHI

ダイエー資料館 (nakauchi.com)

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