脱力せよ
何をするにも、ちょっと力が入っていることに気付いた。
嫌いなお皿洗い、好きな編み物、ちょっとずつ勉強しているフランス語…何をしていても身体のどこかが力んでいた。
肩、背中、口の中、額、首、足の裏…色々。
自覚がなかった。
大変だな~
時間がかかるな~
早く終われ~
難しい
そんな色んなものに縛られて、好きなことをしている時でさえ、リラックスしていない。
はっと気付いた時には深呼吸。
気持ちよい空気が、頭から足先へ抜けていくように。
スポンジがこする音
黒ずんでしまったおひつ
不揃いな編み目
走り書きの文字
それぞれが鮮明に、クリアに感じられ、
あぁ、この世はずっと美しいものに溢れていたのだったと思い出させてくれて、私はほっとした。
こうして書いている今も指先が冷たい。
だから、深呼吸してみる。