知らないけど好き。知らないから好き。
※この文章は、ちゃまさん・のっぴさんにより手掛けられた同人誌「結女入学前夜祭」へ寄稿したものです。Pixivにて無料公開されているので、ご興味ある方はチェックしてみてください。
はじめに
皆様、こんにちは。初めましての方は初めまして。きらんと申します。
この度はちゃまさん・のっぴさんの手掛ける推し語り同人誌企画への寄稿という形でこの文章を執筆させていただいております。改めまして、お二方、素敵な企画の主催をありがとうございます。
さて、この同人誌のひとつの趣旨として「アニメ3期を前に、推しに関するファンブックを作成・頒布し、Liella!に対する”いま”の、現時点でのLiella!への気持ちを形に残し、アニメ3期への盛り上がりに貢献したい」というものがあります。
私は1期生・2期生・3期生のそれぞれに推しを設定しているのですが、この趣旨を踏まえて考えたときに、3期に向けて“いま”妄想を深められる余白が最もあるキャラクターって3期生の冬毬さんだなって思ったので、今回は冬毬さんについて推しになったきっかけであるとか、好きなポイントであるとかをつらつら述べていけたらと考えています。よろしければお付き合いよろしくお願いいたします。
知らないけど好き。
まず、推しになったきっかけについて。私が3期生と出逢ったのは、ちょうど私がラブライブ!スーパースター!!から距離を置いているタイミングでした。
距離を置いたきっかけは就活。2期12話で表現された澁谷かのんさんの夢への向き合い方に感化された私は、彼女が大好きなスクールアイドルを離れて夢に向き合う決意をしたように、ラブライブ!スーパースター!!を離れ、自分の夢のキャリアを実現する一歩を踏み出したのです。
3期生の発表があったのは忘れもしない4月28日。そのときの私は、夢を叶えるうえで乗り越えなくてはならない試験を直前に控え、心身ともに消耗していました。
一心不乱に学習に励んでも、どうしてもわからないところがあったり、カバーしきれない範囲があったりと、一寸先の未来に対する不安が拭えない状態が続いていて、ずっと何かに怯えていたんですよね。
いつの間にか日付を跨いで3期生発表の日が訪れていることに気がついた私は、落ち着かない心象の中、ネットニュースで3期生の名前だけでも確認してみるか、とSNSを開きます。その瞬間に目に飛び込んできた「鬼塚冬毬」の名前に、心臓が爆発するかのような衝撃を受けたあの時の心境をずっと憶えています。
私は鬼塚夏美さんが大好きです。ラブライブ!スーパースター!!に恩返しをするために全力で駆け抜けたアニメ2期から3rd LoveLive! Tourにかけての季節において、ずっとそばで自分の活動を支えてくれた存在が夏美さんでした。
そんな夏美さんの妹が、3期生としてLiella!に加入する。その事実が嬉しくて仕方なくて。勢いで初めて電子書籍版のLoveLive! Daysを購入して、彼女のプロフィールを読み込んで、ぽろぽろ涙を流したあの夜のことは絶対に忘れません。
その後私は無事に試験を勝ち抜き、夢を叶えることができたのですが、それはきっと鬼塚冬毬さんの存在なしでは成し遂げられませんでした。鬼塚冬毬さんは、ラブライブ!スーパースター!!があの時の私に届けてくれた最高のサプライズであり、竦んでいた私に夢へ立ち向かう勇気をくれた存在なのです。
確かに、まだ彼女には語られていない魅力が多すぎます。きっと私が見ている彼女の素敵さも、全体のほんの一部分だけに過ぎないと思うんです。それでも、私は鬼塚冬毬さん推しです。あの日に彼女がもたらしてくれたものは、全身全霊を懸けて彼女を応援する理由に足るほどに、私にとって大きなものだったのですから。
知らないから好き。
ここからは、現時点で分かっている彼女の魅力を発信するとともに、これから彼女が駆けていく軌道に想いを馳せるキャプチャーとしていきたいと思います。
ビジュアルとか性格とか声とか、好きなところは山ほどあるのですが、きっとそれは皆様も存じ上げていることでしょう。
どうせならここで語る意味のある、言うなれば掘り下げ甲斐のあるポイントにフォーカスしてお話していきたいなと思いますから、ここからは鬼塚冬毬さんの「アンチラブライブ!スーパースター!!性」をテーマに色々語っていきたいと思います。
そう、私は冬毬さんの「アンチラブライブ!スーパースター!!」なところがめちゃくちゃ大好きだし、アピールポイントになり得ると考えています。これは私がラブライブ!スーパースター!!アンチだからなのではなくて、むしろその逆です。私がラブライブ!スーパースター!!に深い情熱を注いでいるからこそ、その哲学を拡張しうる冬毬さんの存在から目が離せないのです。
鬼塚冬毬さんの好きな言葉は「夢でお腹は膨れない」です。そもそも、私が彼女はラブライブ!スーパースター!!のアンチテーゼ的な存在であると言い張る根拠はここにあります。
ラブライブ!スーパースター!!の一大テーマであり、物語の構成に大きく関わっている哲学のひとつとして「私を叶える物語」が挙げられますが、これはひとつ「私の“夢を”叶える物語」であると定義できましょう。ラブライブ!スーパースター!!にとって、夢って物語の根幹を形成していると言っても過言ではないくらい大切なものなんですよね。そんな夢を否定しきった言葉を、冬毬さんは好きな言葉として選定しているのです。
同じく3期生のマルガレーテさんも2期では同様にラブライブ!スーパースター!!に仇をなすロールを演じましたが、こちらはどちらかと言えばラブライブ!シリーズに共通する哲学である「みんなで叶える物語」に対してのアンチテーゼを投げかけているように見えます。
対して冬毬さんはスーパースター!!固有の哲学である「私を叶える物語」に対して担架を切りました。ここに3期生ふたりの共通点と対比構造が見て取れます。
結果としてはどちらもLiella!に加入し、それぞれ「みんなで叶える物語」「私を叶える物語」の享受者としてスクールアイドル活動を全うすることとなることが予想されます。
視点を移すと、これはラブライブ!スーパースター!!の哲学がアンチラブライブ!スーパースター!!の哲学を打ち破ったゆえにある未来ということになります。この子らがLiella!に加入している事実こそが、「みんなで叶える物語」「私を叶える物語」の哲学が誰かの考え方や人生を変えるほどの包容力を持っていることのまたとない証明になりうるのです。
それだけの可能性を身に秘めていることが、3期生の、ひいては鬼塚冬毬さんの最大のアピールポイントであると私は考えます。
私が鬼塚冬毬さんの方により惹かれているのは、自分がスーパースター!!ならではの哲学(「私を叶える物語」)に強く感銘を受けているからなのでしょう。
いまはまだ夢の合理性を理解しきれていない彼女が、ついにスクールアイドル活動へのときめきから目を背けられなくなる瞬間を目撃することができようアニメ3期が待ち遠しくて仕方がありません。
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