喜楽屋おかみ修行 その8 梅の季節に桃の節供
3月3日はひな祭り、桃の節供です。が、どこに桃が咲いているのでしょう。
青梅は3月から「梅祭り」が始まりますし、ひな壇には“梅の花”?この季節のずれ、疑問を解決してくれるのは旧暦です。
先日、「旧暦と暮らす−スローライフの知恵ごよみ−」松村賢治著を読んでみました。とっても面白いです。
旧暦というのは「太陰太陽暦」のことで、明治5年まで日本の国暦でした。これは月の運行を中心としてそこに太陽の運行と地域性を加味したものです。中国で4千年以上昔に開発された「農暦」に江戸時代多少の独自性をもって作られたものだそうです。
(日本は中国から漢字も仏教も暦も巧く導入できた柔軟性のある国なんですね)
この暦は天文学的に裏打ちされた、季節の移り変わりに合った自然暦といえます。
日本人はこの季節の移り変わりに敏感で、年中行事、風習も自然の変化に結びついています。
現在も旧暦と暮らす人々がいらっしゃるそうです。
自然を愉しんだり、教育に活かしたり、飲食や酒造り、服飾業界の方、農業に、または生活の道標にしたり体調管理にも役立てることが出来るそうです。
月の力、太陽の動き、とても奥深いものなので、一読しただけでは理解できませんが、今まで不思議に感じていたことがなるほど旧暦で考えるとピタリと合うのです。
たとえば・・・年賀状に「迎春」「初春」と書くけれど、春?そう、旧暦では1月、2月、3月を春としているのです。
カレンダーは新暦でも日本の気候は旧暦なのです。
そして「ひな祭り」、旧暦でいう3月は晩春です。(今年は新暦の4月21日)
桃の花が咲き始める頃です。
3日のお月様は三日月です、光量がありません。
♪♪明かりをつけましょ ぼんぼりに お花をあげましょ 桃の花 ♪
ひな人形に添えたぼんぼりの明かりが闇夜に幻想的な効果を演出したのです。
そして、旧暦には1年に13ヶ月という閏の年があります。
新暦のうるう年とはまたちがいますよ。今年は閏2月の年で2月が2回あります。ですから春が長くなるのです。
「今年は異常気象だね」と騒がれる年も、旧暦からみると、夏が長い年であったりして異常とはいえないこともあるのだそうです。
季節を感じて旬のものを美味しくいただいて、健康体でいたいですね。
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平成16年(2004)3月16日 やすらぎ通信第八号より
平成16年のおひな様ごろの記事です。
この頃から、今まで学んできた東洋哲学や暦などの考えを生活に取り入れ楽しんでいました。
今でもその生活は続いています。
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