おかみ修行その1

おかみ修行 その1 にーぼんの小物って???

はじめまして、仏具店「喜楽屋」に嫁いで今年で3年になります。本当にごく最近になってお店にもチョロチョロと顔を出すようになったのですが、見るもの聞くもの目新しくて、まだまだ「門前の小僧」にもなれない状態なのです。でも、いつも身近に仏様を感じられるこの店に来れたことは心からありがたく思っているのです。将来は「おかみさーん」と皆さんから呼ばれるようになりたいと思っているのです。そう、今はその修行中・・・。
家事と育児とおかみ修行、毎日のドタバタを書いちゃいます。

その1 にーぼんの小物って???
6月のある日、主人は倉庫から大きな箱をヨッコラショと出してきた。
「何?それ。」
「新盆の小物」
「??」
普段からぶっきらぼうな主人は、仕事中となるとなおのこと言葉少なになる。
「なに?何?」負けてはいられない、すかさず箱の中を確認する。およっ!これは麦わら帽子だ。ぞうり、杖、なんだろこの三角の布は。
よくよく聞いてみると、ふーむ。
納得なっとく。

忌明けの過ぎた仏様が初めて迎えるお盆が新盆(にいぼん・あらぼん)と言うのだそうです。
この仏様はあの世からこの世のお家にはじめて帰ってらっしゃる。
その道中の旅支度だったんですねぇ。

夏の厳しい暑さを思って、日差しよけの帽子、涼をとる扇子、長い道のり疲れないようにしっかりと足をかため、杖を。お腹がすいてはいけないのでお弁当のためのお米を。
これらの小物を揃えてお盆の供養までお寺様へお届けし仏様をお迎えするというわけです。

昔と今では少しずつ形や方法をかえてきているのでしょうが、仏様を思いやる気持ちが伝わりますね。美しい心だと思いませんか?子供、そして孫にも伝えていきたいですね。


地域、そしてお寺様によって小物は使わないところもあるそうです。
ところで、沢山あつまった小物はお寺さんではどうしているのか気になりません?ご心配なく、施設に寄付をしたりして利用しているそうです。
みなさま、穏やかにお盆さまをお迎えくださいね。

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平成15年(2003)7月1日 やすらぎ通信第一号より
記念すべき、やすらぎ通信第一号のコラム。
青梅を含む西多摩地域のお盆は七月です。
そして、このような「小物」と呼ばれる品物を御寺院にお納めする作法があり、今でも続いています。
※掲載の情報は当時の情報のため内容が異なっているもしくは廃止されている場合がございます。お気お付け下さい。

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