SS【謎】♯毎週ショートショートnote　オマケ付き

お題「パフェフンフン３３秒」

【謎】(410文字)　

「ママ、看板が『パフェ』に！」
「職人さんが間違えたの、ふふ」

　私が働く『カフェふんふん』は古い店で、長らく看板の『カフェ』の『カ』の字が消えて『　フェふんふん』になっていたのだが、ママが先日ようやく修理を依頼したのだ。
　それなのに『パフェふんふん』って。

「面白いから、いいかなって」
「ママ、受容レベル高すぎ」
「ふふ」
「パフェなんて作れないよ～」

　からんころん。ドアが開いてお客さんが入ってくる。
「パフェください」
　ほらー。しかしママは慌てる様子もなく言った。
「パフェフンフン３３秒待ってね」

　パッフェフンフン、パッフェフンフン…
　メロディはママの好きなムーミンの主題歌。みんな知りませんて。
　そして３３秒でママが提供したのは、コーヒーだった。

「え？パフェは…」
「パフェという名のコーヒーなんです。ふふ」
「アハハ、なんですかそれー。あ、でもこのコーヒー美味しいです！」

　この店に来ると客側も受容レベルがＵＰするのが、この店の謎だ。
　ふんふん。

おわり

(2023/9/14 作)

『たらはかに』様の9/10～9/16のイベントに参加させていただきました☆
今回は裏お題です。
受容レベルが高い人は幸福度も高いと思うんですよねー(*´ω`*)ふふ
ちなみに『ムーミン』の歌はこちら。ねっえ、ムーミン☆

※オマケ
推敲前の作品。410文字
↓
「マスター、看板が『パフェ』になってる！」
「あれなー、職人さんが間違えて」

　そこはカフェというよりは喫茶店という趣の古い店で、長らく表看板の『カフェ』の『カ』の字が消えて『　フェ』になっていたので、マスターが先日ようやく修理を依頼したのだ。
　それなのに『パフェ』って。

「これも縁だし。パフェのままでいいかなって」
「マスター、受容レベル高すぎですよ」
「面白いじゃない」
「パフェなんて作れないのにー」

　からんころん。ドアが開いてお客さんが入ってくる。
「パフェください」
　ほらー、間違えるって。しかしマスターは慌てる様子もなく言った。
「パフェフンフン３３秒待ってね」
「え？」

　ぱっふぇふんふん、ぱっふぇふんふん…
　メロディは昔々のムーミンの主題歌のような気がするけど…。
　およそ３３秒でマスターが提供したのは、コーヒーだった。

「え？コーヒー…」
「パフェという魔法をかけたコーヒーだよん」

　マスター…、自分の受容レベルを他者に期待しちゃだめです。

おわり

※これもアリだったかなーと思いつつ…
毎回、日の目を見ないコたちがたくさん消えております。(ノД`)・゜・。
今回はたまたま保存してたので。