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掌編小説【呪い】♯毎週ショートショートnote
お題「無理無理童話88」
※このお話は、表お題の「グリム童話ATM」で書いた作品【まだまだ】からの続きですが、このまま読んでもまぁまぁわかります(;・∀・)
【呪い】(410文字)
タケオとアニキは車に乗って逃げた。
ここまでは狼も追ってこられないだろう。
「ひでぇ目ぇに合いやしたね」
「メェって言うんじゃねぇ」
アニキは子ヤギがトラウマになったらしい。
車はルート88に入った。
「おめぇ、童話よく知ってんのか」
「アニキもメェって…」
「うるせぇ」
自分勝手なアニキだ。
「子どもの頃は本が好きで」
「自分でも作れんのか?」
「そいつは難しいっス」
タケオは語尾が「ぇ」にならないように気をつけている。
「気晴らしに作ってみろ」
わがままなアニキだ。
「えー、昔々ある所に二人組の大泥棒がいました」
「いいじゃねぇか、続けろ」
「大泥棒はめっちゃ男前でオンナにモテモテで」
タケオは話し続けた。
しかし、ルート88にはグリム兄弟の霊によって『無理無理童話88』という呪いがかかっていたのである。
「それはないわ」とグリム兄弟が判断する限り、永遠に降りることはできない。
二人は今も終わらない輪廻のように、ルート88を走り続けている。
おわり
(2023/4/11 作)
『たらはかに』様の4/9~4/15のイベントに参加させていただきました☆
今回は裏お題ですー。
ルート88とはなんなのか、なぜそこにグリム兄弟の霊が…?!
こまかい設定はありません…。
あはは(;・∀・)
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