掌編小説【マウント】♯毎週ショートショートnote
お題「ポポパポペピアノ」
【マウント】(410文字)
「ポポ、パポ、ペピ。転校してきたアノさんよ。仲良くしなさいね」
と先生に言われても、よそ者を受入れることは難しい。
しかもこの村は半濁音の村。村で生まれた者の名前には必ず半濁音が付いているのに、アノなんて。
「ポポパポペピアノか。なんかマヌケ」
ペピが言う。
「おまえもパポとかにしたら?」
リーダー格のポポがアノに言う。
しかしアノは物怖じしない子どもだった。
「パポになったら、そっちのパポと一緒になっちゃうわよ」
「女の子と一緒かぁ…」
パポはチラッとアノの顔を見る。かわいい。アノは初めて見る女の子だった。
その時アノが言った。
「女の子一人の時は『じょおう様』って言うのよ」
「えっ?」
「あんたたち知らなかったの?あたしのこと『じょおう様』にしたらいいのよ」
実は半濁音の村を支配しているのは濁音の町だったので、村人達は濁音を恐れて滅多に使うことがない。「じ」という濁音に三人は震えた。
以来アノは、じょおう様として三人の上に君臨している。
おわり
(2023/3/29 作)
『たらはかに』様の3/26~4/2のイベントに参加させていただきました☆
上記リンク先で、わたしの【密会】(お題「星屑ドライブ」)もご紹介くださり、ありがとうございます<(_ _)>
今回は裏お題にスラムダンク!!
はい、とうとうアマプラでアニメ101話、観終わりました。
ロスに耐えられず原作本をメルカリで買いました。
けっこう高かった……… あははははは(;・∀・)
いいなと思ったら応援しよう!
おもしろい!と思っていただける記事があれば、サポートはありがたく受け取らせていただきます。創作活動のための心の糧とさせていただきます☆