タイタンではメタンの雨が降る
今朝は6時に起きて写真をプリントした。本当は昨日のうちにやらなきゃ行けなかった作業をした。家を出るのは8:45。それまでになんとかプリントを終わらせてアルバイトへ。
鬱が加速していたところで習い事感覚で始めた週に数日のアルバイト、これが意外と良かった。元師匠は「アルバイトだけは絶対にするな」と言っていたけれど、私の場合はした方が良かった。
この業界と関係のないアルバイト。そういう人たちと関わらないまま5年間を過ごしていたので、自分の感覚はだいぶ偏っているだろうなという事がずっと気になっていた。
実際に働いてみて、自分が想像している以上に自分はこの5年間で偏った考え方になってしまっていたということに気づけた。みんな優しい。色んな人がいて嬉しい。そして改めて、初めて会った人に自分が何をやってどういう人間なのかを伝えるという事が、色んな意味で良い訓練になっていると思う。
スターバックスでブラックエプロンを着て働いているという女の子に出会った。ショートカットが似合うとても可愛い女の子。ゆずシトラスティーが好きと言ったらユースベリーティーに変更すると美味しいですよと教えてくれた。早速そのようにして飲んだ。飲んでる。今も。
去年の今頃。仕事で行った京都のビジネスホテル。決定的に悲しい事があり、ラブホテルみたいな変な部屋で1人で泣いていたら、タイミング良く電話がかかってきた。スタジオ時代の後輩すーちゃん・少し年上・男性。すーちゃんはハチャメチャに泥酔していて、なぜか極寒の軽井沢にいて、アパホテルの非常階段でタバコを吸っていると言った。寒い、寒いと言っていた。泥酔しているので言ってる事は支離滅裂、なのだけど、本人の持つインテリジェンスと良い化学反応を起こして、結果的に私はとても元気付けられた。
「失われた時を求めて」のマドレーヌの匂い。楽しくて楽しくて心の底から嬉しかったのに報われなかった恋の記憶。錦糸町のラブホテル。トレインスポッティングのヤク中。小泉今日子の「木枯らしに抱かれて」。
それらは全て一緒。よくある話。純文学も綺麗じゃない恋愛もヤク中も、全部くだらない話だよ!!!と泥酔したすーちゃんは言っていた。(そして電話の向こうで突然寝た)
そこからずっとしばらくは小泉今日子の木枯らしに抱かれてを聞いていた。アルフィーの高見沢さんが作詞作曲をしている。電話の向こうですーちゃんは言った。「アイツは本物のロン毛。どれくらい本物のロン毛かっていうと、90年代の木村拓哉くらい本物のロン毛」と言っていた。
その曲を一年ぶりに聞いた。記憶が一瞬で蘇った。怖い。一年が経った。私は生きた。一年前だ。あの寒さを、あの悲しさを覚えている。傷ついたことを忘れてた。綺麗な日差し。この日差しを私は知っている。そう思える写真に出会うと嬉しい。そんな写真を撮りたい。今日は初めて出版社の人に写真を見てもらった。
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