見出し画像

モテ男の秘訣(Twitterで流れてきたライフハックのシェア)と、考えたらわかるデショ、の罠と「悪意のない差別」

Twitterで流れてきたライフハックのシェア。

▪️モテ男から教えてもらった秘訣が意味不明だった
https://twitter.com/mentane/status/1472953292426997762?s=21

以下めんたねさんの推薦?文。

「これはとても正しくて良いことが書いてある。

相手が大切にしていることを尊重し、そこをふみにじらないように大切に扱うことはその相手に対する礼儀になる。

そして、この重要性がピンとこない人がいるのも面白い。確かにわからない人にはなかなかわからない話だよね。」

「そして、「わからない」「ピンとこない」というのもその人固有の感覚であり、そこも尊重してあげた方がその人との関係はうまくいきやすい。

「こんなこともわからないの!?」

と馬鹿にしても、あまりいい結果を生まない。」

そう。たとえばまぶたを裏返すのがカッコイイ!という価値観と、キモチワルイ!という価値観、みんなちがってみんないい、って話だよね。(例えが悪い)

そう、私も理屈では「正しくない」「効率が悪い」と思ってもつい子どもの意見を尊重してしまうことがわりとある…なぜならその方が面白いから🤣(脳みそが小5男子)

#最短ルートよりまわり道が好き
#正しいより楽しい
#やってみよう
#英雄

【追記】その後のアレコレ。今回のテーマについて、まさにまさにだ!という例文がTwitter川に流れてきた。

下はその趣旨を残して類題として内容をちょっといじったもの。

「人間いつかは全員が死ぬもの、そうは言っても死ぬ順番は大事。子どもに先立たれることほどつらいことは世の中になかなかない…経験しなくても想像したらわかるはず」

最初つい「つらいよな、わかる」と思ってイイネしたけど(そして消すのもなんだかなと思ってそのままにしてあるけど)、その瞬間ふと上のめんたねさんの言葉が蘇った。

考えてみたら「想像したらわかるはず」は、上のめんたねさんの「こんなこともわからないの?」に通じる。まぁこの場合はバカにしてるというよりは「悲痛な叫び」みたいな作法で【共感を呼びかけてる】だけで、この言葉に決して悪意はないのだけど。

でもこれがよく考えてみたら、実はすごくこわい構文だなと思う。じつは「良識」みたいな「善いもの」でコーティング&補強されてより強固に「わからない」立場の【善性を否定】する論法になってしまっているからだ。

こういう風に捉えてしまうのは、上のめんたねさんの話を読んだばかりということに加えて、最近韓国でベストセラーになった『差別はたいてい悪意のない人がする』を読了したのも影響している。(図書館で借りた。面白かった。またあとでブックレビューを書きたい)

悪意のない差別を含んだメッセージが【善い話】として拡散してその切り口での差別を免罪し、透明化して助長するということは確かにある。

実際には【その人の想像力】と【その人の善性】は本来無関係なはずなのに、この論法では、想像力がない=わからない人=善性に欠ける=悪というような【印象操作】ができてしまう。

言う側も言われる側も気づかない無意識の印象操作。これが実は「世論」とか「空気」とかいうものの正体だったりする。そして世の中にはこういう実際には無関係なもの同士をわかりにくく結びつけてミスリードする言葉が氾濫している。

【暗黙の了解】という名の【経験知の集合】。これがなかなかこわい。

個々人の経験はそれぞれちがっているはずなのに、同一視して話を進めるからだ。ここに同調できないマイノリティの黙殺を生む。マジョリティの規定する経験知の集合=暗黙の了解に乗れないもの・足並みを乱すもの・異物への敵視。「わきまえろ」という圧力、さらに進むと存在の透明化が起こる。

それを是正してマイノリティの人権と多様性を認めよう、というのが現代社会の最先端の倫理観だ。マイノリティにとっては本当にありがたい流れだと思う。逆にマジョリティの人には面倒で不便な世の中へ向かっているのではないかと思う。

前提としての多様性は今まだまだ過渡期で。気を抜くとつい無意識に【その人の能力】と【その人の善性】とを結びつけるような誤謬が起こってしまうということが起こる。

それ自体は事故みたいなものだけど、同じ人に何度も似たような誤謬【能力の不足により善性が剥奪される】というようなことが繰り返し起きると、その人の自尊心や尊厳が奪われてしまうことになりかねないので、相手に共感を求めるときは、自分とは異なる意見の存在を認め、立場がちがう相手の存在を否定することがないように気をつけたい。

「共感してほしい」と願うあまり、自分にとって「わかること」を「わからない人」に強要するのは、自他同一視の理解ハラスメントになりかねない。

発達界隈、この辺り弱いからな…生まれつきの脳の特性によって【経験知の集合】が得にくいタイプはこの【ふつう】とか【常識】に苦労する。

世の中にありふれた「考えたらわかるデショ!」という叱責。「わからないのはまじめに考えてないからだ」「ふざけてる」「サボってる」という外部からの決めつけ。これらはなかなか「わからない」人間にはキツイ言葉だ。

#多様性 …自分とチガウ人がイテモいい社会
#自分に理解できないこと・人を尊重する

#理解できないことを尊重する 、これすわちモテ男の秘訣だわなーと思った次第

最後に、この投稿に貼った写真の中央にある【ベンチ】の存在に気がついた人はどのくらいいるかな…【善いもの】でコーティングされた差別もこんな感じ。この写真の夕陽みたいに強い善性で照らされると、そこにひっそりと入り込んだ差別って目立たなくなるのよ。自分の中にもある差別意識。ただ、それが差別だって私はちゃんと把握しておきたい。自分の加害性をちゃんと知りたい。無意識ではなく。めんどくさくて苦しい生き方かもしれないけど、そういうふうに、私は生きていきたい。

#今日のお歌 …【ばかみたいに溢れる涙とか】https://youtu.be/UjDEIgvsiGk

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?