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【2012年の保湿パックをした話】
実家の自分の部屋がコロナのリモートワークで春から父の書斎になった。
これにより、独身時代はもとより、結婚してからも、家賃のかからないガレージスペースとして便利使いしていた実家の自分の部屋を引き払わなければいけなくなってしまった。
春からずっと家主たるグレートマザー実母に立ち退き請求をされている。ふぅ。
とりあえず春に事前通達なくいきなり書斎化したために、私の荷物は廊下に出された。行き場を失った私の荷物たち。廊下なので雨風に晒されているわけではないが、所在なさげでなんだか不憫だ。
そうは言ってもこちらも歴とした汚部屋の住民なので(胸を張ることではないが)、実家に行くたびに実母にせっつかれてやり始めるものの、右へ左へ無駄に移動するばかりで片付けを完了することができない。
痺れを切らした実母によって、私の荷物はとりあえずピアノ室(そんなものがあるのだウチの実家は。部屋数が多いのだからそのまま死蔵してくれればいいのに)に押し込められた。
とりあえず目の触れないところに入ったから安心だ、と思っていたら、やはり母は片付けろと言う。そのうちそのうちと蕎麦屋の出前のようにのらりくらりと誤魔化してきたが、いよいよ実母がご近所さんの小さい子がいる夫婦にあげてこいとまで言うようになって、こりゃーもうアカンとようよう重い腰を上げた。
さっさとやれば良いものを。無駄に引き伸ばしてストレスを溜めたものだ。
折しも酷暑である。ピアノ室は数年前コウモリが沸いたとかでエアコンを撤去したので(そんなことある?)ノーエアコンである。立っているだけで汗をかく。
広さ的に特に何かを圧迫しているわけでもなかろうに、目障りである、という理由で性急にこの荷物はどげんかせんといかん。不憫だ(私が)。
ものを捨てられない母娘なのだ。こうなったのは遺伝と母の薫陶による。大阪の下町育ちの母が世界標準を遥かに超えたMOTTAINAI精神を娘に伝授したのである。
しかし嫁して20年…ウソだなまだ14年か。ただ実家を出て20年近くにはなるのかな。ようやくその精神も薄らいできた。旦那のTANOMUKARA-SUTETEKUREYOの薫陶がじわじわ効いてきた成果であろう。よくやった旦那。
さて自分ちは片付けても片付けても散らかし家の幼児3人と中年1人(私)がいるため(そして旦那も決して片付け上手ではない)賽の河原のように散らかるためアホらしくて野放図に散らかしたままでいるが、捨てられない呪縛からはひとまず脱したので、【モノが散らからない唯一の方法はそのモノを捨てることである】、というわが家の家訓に則り、新品の10枚入り燃不燃ゴミ袋を手にピアノ室へ。
さようなら20年前〜の私の断片たちよ。
チビ達が赤ちゃんの頃のオモチャ類や結婚にまつわる記念品的なグッズなど一切トキメカナイためジャンジャンゴミ袋に入れていく(情緒皆無)。最近たまたまゴミを出す機会に恵まれているので慣れたものである。
■最近たまたまあったゴミを出す機会の件はコチラ【久々のアレと半地下の夫婦と生命の神秘と】
https://note.com/kirakiramamama/n/nfe833d3c6b44
さて、オモチャは片付いた。次は独身時代の仕事グッズなどである。これがなかなか難しい。
スタンプだのビニールテープだの、この先文房具関係は使えるのでは?の嵐。あどけない息子のガラガラや結婚式のウェルカムぬいぐるみ等には一切トキメカナイ鋼の心が、使う当てのない製図用コンパスなどにはトキメキまくりである。困ったな。とりあえずその辺りを段ボールにひとまとめにする。
それでもずいぶん捨てたのだが。いつのだか分からない試供品のシャンプーリンスやら化粧品やら。なんせ使用期限が20年前だ。キューブリックも真っ青の宇宙の旅だ。
その中で比較的新しめのシマで、誰か友人が韓国旅行にでも行ったのか、保湿パックがいくつも出てきた。期限の日にちは2012年。うーん8年前か。
酷暑で目に絶えず汗が流れ込むようなサウナと化したピアノ室で半日作業してちょっぴりおかしくなっていたのは否めないのだけど、心の中のジャニー喜多川さんが「YOUやっちゃいなYO」とささやいた。
テッテレー。8年前のパックー。
出してみると普通のパックだ。すごく分厚い遮光アルミ外袋のおかげで経年劣化が防げたのかな?匂いも特に異変を感じない。ともあれ広げて顔に貼り付ける。問題なさそうだ。
そのまま8年前のパックを顔に貼り付けたまま、残りの文房具をやっつける。8年前のパック越しに見える景色はなんだか現実感が遠のいて良い感じである。なにより悪いことをしているワクワク感が(コラコラ)、普段なら死ぬほどキライな片付け作業を楽しくさせる。
こりゃー良いばい。
15分ほどパックを張り付けて作業して、集中して作業したら細々とした文房具の仕分けが終わった。ふう。
終わって見たらふだんパックどころか化粧水も乳液も肌の手入れなんて一切しない私の肌になんちゃらケラチナミン的な何かがヒタヒタ浸透してお肌の調子は上々である。ついでに部屋も片付いた。
なので残りのパックもなんとなく持ち帰ってきた。散らかり放題のわが家を片付けるときにまたキューブリックな旅をしようと思っている。
#睡眠記録・6時間睡眠。眠い。
■実家で折り紙をする三男とその横でまるで折り紙をするようにルマンドを開封する次男の写真とか
https://twitter.com/kirakiramamama/status/1297312681183993857?s=21