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空回り。
一緒に見上げた雲があまりにも綺麗だったから、ぼくは雲のシッポをちぎってきみに渡したんだ。
きみは少し困った顔をして、手のひらで優しく雲を包みながら両手を空に伸ばして手放した。
雲は君の周りをくるくるまわって、そのままふわふわふわふわ浮いてった。
ちぎれたシッポが元に戻ると
きみはうんうんと頷いて 綺麗だね って笑って僕をみたんだ
欲しいのは
こうして一緒に見上げる時間
嬉しいのは
喜ばせようとしてくれたあなたの気持ち
だからずっとこうしてようね
そう言って繋いだ君の手を僕は軽くつねってこたえる。