田舎暮らしの夜のお散歩
昨日の夜のこと、なんだか外が気持ちいいのでちょっと散歩に出かけてみようと歩いていたら蛍をみつけた。ここ数日、「蛍出てきたねー」なんて話は聞いていたので、近いうちに蛍を見つけに行こうなんて思っていたんだけれど、すぐそこにいた。その時期がくれば当然のようにいるんだなーと思うと、なんて素敵な暮らしなんだろうと改めて思う。
なんで今日は外が気持ちいいなんて思ったのかというと、おそらく昼間に入ったお店が空調がよく効いていてひどく寒い思いをしたからじゃないか。確かに昼間は暑くてまだ梅雨も迎えていないのに夏日なんて言われる日もあるが、まだまだ真夏とは違って陽が傾くと温度も下がる。そうすると建物の中も温度が下がっていくのだ。太陽の影響ってこんなにも大きいものなのかと、こちらに来て1年ほど経ったころに驚いた。1日中、空調のきいている建物の中にいた生活では到底気づけないことだった。
田舎での暮らしを始めて2年になる。私は都会から地方へと暮らしを変えた人の中では、たいした田舎暮らしらしいことはできていないと思う。古民家を借りて山の中で暮らしているけど、水道水がばっちり通ってるしキッチンはIHが構えられている(一人暮らしのおばあちゃんのためにIHに替えられているおうち多い)。薪を焚いて暮らしたいなんて憧れがあったけど、冬は寒くて何をする気にもなれない(寒がりということに気づいた)。密閉性のあるマンションと違って、昔ながらの日本家屋はしっかりした作りでも隙間風が入って冬は本当に寒い。田舎で暮らしていれば、みるみる力が湧いてなんでも自分でできるようになるもんかと思っていたけど、私の場合はそうでもないらしい。自給自足なんて夢のまた夢で、庭でトマトすら育てられなかった。
すっかり都会暮らしに慣れてしまっていたものの、田舎で生まれ育ったんだから行ってみればできるもんだろうと思っていたけど土を耕したり、野菜を収穫したり、薪を焚いて生活することは、山へ引っ越せばぱっと手に入れられるものではないようだ。もちろん向いている向いていないもあるだろうし、私は向いていない方かもしれない。
想像していたものとは違った生活をしているし、自分の田舎生活力のなさにがっかりもしたけれど、こんな私でも散歩しようと外に出ると蛍に出会えるような環境にいる。
都会でしか住んだことがなければ、田舎暮らしってどんなものか想像もつかないかもしれないけど、薪で火を起こせなくても野菜が育てられなくても自然を感じて暮らせるよ。
読んでくださってありがとうございます。精進料理がきっかけで移住したと言えるくらい精進料理の世界にはまっていますが、食べるものはなんでも好きです!四国は野菜に果物、お魚などおいしいものがたくさんあるので、食べものに使わせていただきたいと思っています。レポートします!