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人生最初で最後のEndlessSHOCK


はじめに

私のオタク人生一度くらいは観ておきたいと思ったEndlessSHOCK。気がついたら博多座も終了してしまいました。鮮度が命の観劇レポ。掲載しないことも考えましたが、やはりこの記憶は残しておいたくて今更ながら投稿します。
今回クレジットカード会社の枠で奇跡的に1枚チケットを手にいれることができました。そんな人間の断片的な記憶を頼りながらの感想になります。

今回の観劇について

EndlessSHOCKとは

今年で遂に終わってしまう『EndlessSHOCK』。SHOCKは主演である堂本光一のミュージカルシリーズです。2000年より『MILLENNIUM SHOCK』というタイトルでスタートしています。2005年から『Endless SHOCK』という名前で上演。2005年以降は主演である堂本光一自身が、脚本・演出・音楽全てを手掛けています。

この物語は「Show must go on」がテーマ。「何があっても舞台を中断してはならない」という意味です。ニューヨークのオフ・ブロードウェイでショーに出演する若者たちが、ブロードウェイでの成功を目指して苦しみながらも現実と向き合いながらショーを続ける作品です。

東宝さんのYoutubeにはいくつか動画があがっています。イメージが湧きにくい方は一度ご覧いただけるとわかりやすいかもしれませんね。

「SHOCK」といえば?

観劇したことがない人でも「SHOCKといえば?」という質問。観劇されたことがない人こそ「階段落ち」や「フライング」と回答する人が多いのではないのでしょうか?失礼ながら私自身もその2つしかイメージが大半を占めていた状態です。
しかし今回観劇することで「これ、お話自体が面白いよね?」ということを知りました。

圧倒的センター”コウイチ”

年齢はただの数字といいますが、堂本光一さん45歳ということは信じがたい。1幕なんんて文字通り出ずっぱりですが、観ている私が1幕終了後疲れてしまうくらいずっと動いてらっしゃいます。こんなこというの大変失礼だとわかってはいるうえでお伝えすると、ロングラン公演なので喉を労って被せで歌う方法を考えても良いと思うんですが、きちんと生歌なんですよね。さすがプロ。
そして何よりオーラがすごい。みんなの憧れであり、超えられない壁であるコウイチは堂本光一さんそのものでした。もちろん経験値もあるんでしょうけど、何だろう…気迫?とはいえ余裕があって周りを見ていて落ち着きもあるし。
階段落ちやフライングは言うまでもなく、立っているその姿だけでもスポットライトを反射するような輝きを放っていました。
死んでもなおステージに立ったコウイチは、舞台が好きだったのかカンパニーのことが好きだったのかそれとも未練があったのか。1回だけの観劇では私はそこまで汲み取ることが出来ませんでしたが、舞台があってこそ生き続ける存在なのだと感じました。

ライバル”ショウリ”

「SHOCKはライバルによって変わるよ」と言われる大事な存在。私の最初で最後のSHOCKのライバルはショウリでした。
ライバルはコウイチと幼馴染設定。実年齢を考えていると少し離れている気もしますが、昔からの憧れのお兄ちゃん。そしていつかは一緒に舞台に立ちたいし、何より超えたい存在という嫉妬心剥き出しな姿はとても適役だったなといういうのが正直な感想です。ビジュアルエースである佐藤勝利さんがあの役をすることで、さらにコウイチという存在が光って見えましたね。
1幕で嫉妬に狂うシーンはもちろん、2幕でのコウイチを刺してしまったあとの苦しみ方も若さならではといいますか。勢いだけでやってしまったことを後悔している姿、何も考えないためにヤケクソで舞台に立ち続ける姿が個人的には刺さりました。
ショウリが舞台に立ち続けるのはショーをするというより「コウイチに負けたくない」という気持ちを1幕で私は感じました。コウイチがいなくなったあとの2幕ショウリは何を目標にしていたんでしょう。

私が楽しみにしていたフライングと階段落ち

今回私の手元に届いたチケットは博多座の3階席。まあまあな高さなのですが、フライングでお顔が見える高さまで飛んでらっしゃる…。しかもフライングって3種類もあるんですね。(ワイヤーのみ、シルクフライング、傘フライング)
階段落ちも映像で見たことはあったものの、実際に目の前で見るとなると「本当に?この階段を?転がり落ちる?」とハラハラしていました。少しでも体に負担がかからない落ち方をされているんだろうなとは思いますが、私は5段程度でも文字通り足がでないと思います。
「SHOCKといえば!」なシーンの2つですが、『SHOCK』というより『コウイチ』だからできるシーンですね。

この物語の結末はハッピーエンドなのか?バッドエンドなのか?

誰に焦点を当てるか、何をハッピーと捉えるかにもよると思いますが、私個人的にはバッドエンドではないかというのが今回の感想です。
何があっても舞台に立ち続けないといけない。「Show must go on」は彼らが舞台に立ち続ける理由であるとともに、縛り付けているものでもある気がしました。
そこに観客がいるのであれば人が亡くなっても悲しんでいる暇はないし、自分だけの時間を作ることも出来ない。たとえ演じて別人になるとしても、演者の心が消えるわけではないし。舞台の表と裏を描いたお話だからこそ私はそんな感想になってしまったのかもしれないですね。

裏の苦労を見せずに表では完璧にこなしてくれる私の応援するみなさまへ、改めて感謝を伝えたくなりました。プラスの言葉で締めくくることができると考えれば、バッドエンドではないのかもしれないですね。

ラストイヤーとなる『EndlessSHOCK』

出演者のみなさんだけでなくファンの方々も、この作品に対する愛が深いなと感じたのも劇場に入って気づいたことの1つです。今年で最後ということで「これで最後だ。」と言いながら座席へ向かう声もちらほら聞こえてきて。
コロナ禍であってもInstagramでの配信を行なっていたので、大袈裟ではなく彼らのファンはSHOCKとともに生きてきたのだろうなと肌で感じることができたのも、観劇できてよかったと思えた瞬間ですね。

あえて触れますがもともとこの作品は前身の事務所の社長が作り上げたものですし、ロゴだって社長が書いていたんです。劇中には事務所を立ち上げるきっかけとなった『ウエストサイドストーリー』を彷彿とさせられるシーンもあって。
出演者は3時間超えという作品で体力的な面はもちろんのこと、この数年は精神面もかなり削られた状態で続けていらっしゃったんでしょうか。きっと私の想像を遥かに超える苦しみがあったんだろうなあとこの記事をまとめながら考えています。
しかしそれを見せることなく別世界の話として物語とやり遂げていらっしゃって。まさに「Show must go on」を体現した舞台そのものだと思います。長く続くのは納得のいく作品でしたが、長く続いていたのはこの世界で傷付きながらも、守ってくれた人がいることに私はようやく気づくことが出来ました。出演者さんをはじめ、彼を支えてくれたスタッフさん、ファンのみなさまにも、感謝の気持ちをここで伝えさせていただきます。

帝国劇場での公演も残っていますが、最後まで何事もなく幕が降りますよう遠く離れた地から応援しております。

#EndlessSHOCK
#観劇レポ







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